Side-Pressを超えるSide-Pressを求めて・・・・・ 
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 実験テーマ5  Side-Pressスピーカースタンド(初代)とアコースティックリバイブ社スタンド RSS−604 の比較試聴報告(2005年) 

FAPSの試聴室の新しいアイテムとしてアコースティックリバイブ社(以下アコリバと省略)のスピーカースタンドRSS−604を追加しました。

アコリバのスタンドは、オーディオ雑誌の小型ブックシェルフスピーカー試聴時のリファレンススタンドとして使われることもある良く知られたスピーカースタンド。 
高品質・高音質のスタンドとして知られたスタンドでもあり、Side-Pressスタンドを求められるお客様の多くが関心を持たれるスタンドでもあります。 
今回比較試聴を行ったRSS−604は、その最高峰に位置するスピーカースタンドです。 
はたして、その実力は?! 実態は!? 結果を先に言ってしまえば、音楽と音を楽しむならSide-Pressです。 
   
この実験は、試聴室に来られたお客様なら誰でも実際に体験することが出来ます。 
スタンドによってこれほど明確な差が出ることを知って驚かれると思います。 

●最初に 
 
このスタンドは、RSS−604に代わる新しいスピーカースタンドとしてSide-Pressスタンドをお求めになられたお客様(M様)のご好意もあり、 
試聴室用スタンドとして導入したものです。 
 
ご参考 : RSS-604をご提供頂いたM様のアコリバの評価は以下のようなものでした。(  )部のみFAPS追加。他は原文通りです。 
 
(アコリバは)響きが少なく硬い感じの音になっていたと思います。そのような音を望まれる方にはいいかもしれませんが、 
(HPのユーザレポートでは)サイドプレスだと逆にライブっぽくなりすぎと書かれた方もいらっしゃいましたが、 
私にはサイドプレスと比べると引っ込み過ぎのつまらない音だったと感じました。 
御社製品の方が上だと感じなければ、価格的に倍近いアコリバを手放したりしませんし。 
高価で重たいものがよいというのは全くの過ちであることが今回のことで本当によく分かったと思います。

●比較実験結果 
 
以下は、 FAPS試聴室にて行ったSide-PressスタンドとアコリバRSS-604の比較試聴レポートです。 
使用したスピーカーは、B&W社のノーチラス805です。 
どうしても手前味噌気味に見えますが、試聴室に来られた多数のお客様の意見はほとんど同じでした。 
書き方が優しすぎる、もっとSide-Pressの優秀性をアピールすべきだ、というお叱りも頂いております。

(1)外観・仕上げ等 
 
外観等・・・さすがにアコリバは立派でした。定評通りと言って良いと感じました。 
細部の仕上げ、組立て精度、塗装の質感、ステンレス製スパイクと袋ナット、銘板の仕上げも良く、質感・高級感が漂います。 
溶接部分がなく、すべて機械加工部品のネジ止め方式だからできる外観とも言えます。 
非常に高価な価格(税込価格 ¥135,450)に見合った物量が投入された製品とも言えます。 
 
想像していた以上にコンパクトでしたが、異常に重いというのが第一印象でした。 
外側から叩いてもまったくと言って良いほど鳴りも響きもありません。 
 
対する当社のSide-Pressは、と言うと・・・・ 
片手で持ち上げられるほど軽く、ぶら下げて叩くとまるで鐘のように鳴り響きます。 
Side-Pressは、アコリバの半分以下の価格(税込価格 ¥66,800)とはいえ、見た目と物理的な印象はアコリバの圧勝でした。 
 
強いて言えば、アコリバは存在感が大きすぎSP、スタンド、どちらが主役か分からず圧迫感が大きいことが気になります。 
Side-Pressは、主役の座を完全にSPに譲っていて、SPが空中に浮かんでいるように感じます。

デザインの評価は、個人の好みによる部分が大きいので割愛いたします。 
スピーカーを支え良い音を出すという同じ目的で作られたものとは思えないほどの違いがあり、まったく別物とも言えます。 
   
(2)ステレオ比較試聴結果 
  
最初に通常のポジションで両者を数回入れ替えながら試聴しました。 
勿論、常用しているサブウーハー「ルナ」はOFFにしてあります。 
試聴した音量は、ボリュームつまみで言えば9時から11時程度。 
9時の位置は、聞きながら普通に会話できる音量、11時は、それなりの大音量です。

<最初にアコリバ> 
かけたソースは、カサンドラ・ウイルソン、ショルティのマーラーの一番、エンヤ他・・・ 
どうってことないというか、良く整理された音が出てきます。 
スタンドが鳴っている感じはしません。スタンドに触ってもまったく振動を感じません。 
 
スピーカーさん、好きように鳴ってください、と言わんばかりに悠然としています。 
これだけを聞いていると、解像度、低音の沈む込み、定位、こうした機材の評価に使う言葉で言えば特に不満を感じません。 
そういう意味では、まあ良く出来たスタンドと言えるかも知れないと思いました。 
しかし、Side-Pressの音に慣れた私からすると、まあこんな程度か・・・というのが正直なところ。 
 
何曲か聴きましたが、ふーん・・・という感じです。  
ライバル敵視意識がむき出しというように思われると思いますが、本当に ふーん・・・なのです。 
そんな訳はないだろう・・・と思いつつ聞くのですが、何も感激しない・・・本当につまらない音なのです。 
 
<次にSide-Press TYPE35>

3本の支柱に手を触れると相当に振動していることがわかります。 
微動だにしないアコリバとは、まったくと言ってよいほど違います。 
ここまで振動するので音は出ているはずですが、聴感的にはスタンドが鳴っているとは感じません。

音が整理され不要な音が出ないという点では、どちらも似た傾向の音です。 
しかし、切り替えて聞き出した瞬間にアコリバよりも元気がある音と言うか、音楽に吸い寄せられる感じがあります。 
音場の広さは圧倒的と言って良いほどにSide-Press。左右だけではなく上下方向に拡がる音場を感じます。 
 
見た目とは逆に、低音の量感はSide-Pressの方がアコリバより多め。 
Side-Pressの方がちょっと中音域が地味? これは、ちょっと意外な結果・・・ 
Side-Pressの方が素直な音かな・・・・ 
 
<再びアコリバ> 
 
聞くソースを変えて試聴を続けました。スイングジャズ、バイオリンソロ、ソプラノ独唱、ピアノ独奏、虫の音 他 
やはり良く整理され繊細さも感じる音ですが、微妙に何か音が乗っていて、音が濁る部分があります。 
ミュートのトランペットが妙に金臭い。バイオリンの音が必要以上に神経質に感じる。 
弱音のソロ演奏でもその傾向が感じられます。 
ハイハットの音が安っぽい。中音域から高音域にかけて何か癖を感じる。痩せギス・・・・みたいな。 
少し定位も甘いのかな・・・ 
 
聞くほどに、どうしても何かが抜けているという感じがします。何故か楽しくならない部分があるのです。 
音を整理しすぎて、何かを減らしている・・・? 
しかし、整理している割には、逆にうるさく感じる時もある。 
繰り返して聞くほどその思いが強くなってきます。 
 
<再びSide-Press> 
 
アコリバで気になった部分は、注意深く聞いたのですが、まったく気になりません。 
Side-Pressの方がやはり音に覇気があり、楽しく聞けます。 
SN比もSide-Pressの方が上であり、ダイナミックレンジが大きく感じられます。 
 
上記を繰り返して聞きましたが、上の印象は強まるばかり。 
念のためにスタンド位置を入れ替えて確認しましたが、まったく同じ傾向。 
評価環境としては公平に行われたものと思っています。 
 
(3)ソロ対決 
他のスタンドとの比較を行う時と同様に、アコリバとSide-Pressを並べ交互に聞き比べます。 
ソースは、モノラル。ソースとしては、主にジャズを使いました。 
このテストは、ステレオ再生により得られる音場感等の要素が減るので、意外と厳しいテストです。 
スタンドによる変化が分かりやすいテストでもあります。 
 

先に感じたミュートトランペットやハイハットの音色の違いがはっきり分かります。 
アコリバの音には濁りを感じます。 
 
アコリバも確かに見通しの良い繊細感のある音と言えるのですが、上下に伸びきった感じがしないのです。 
Side-Pressの方は、ごく普通に鳴っている感じ。アコリバよりも遥かに開放的と言えます。 
どのソースでも全体にアコリバの方が賑やかな感じです。これは意外でした。 
 
音の定位の評価においては、本来SP中心から出ているべき音ですが、アコリバの場合は、下に下がり相当にスタンド寄りになっています。 
SN比というか静寂感は、ステレオ試聴時と同様にSide-Pressの1人勝ちという感じ。 
静寂感、ダイナミックレンジ感ともアコリバを上回っています。

比較前は、アコリバの方が音が整理されているので静かでSN比も高いはずと思っていたのですが、逆の結果に! 
この結果は、何とも納得できないので、原因を探ってみることにしました。 
 
(4)原因追求 
何故アコリバの方が賑やかなのか、音が濁るのか・・・・その原因は・・・・? 
答えは、意外に簡単にわかりました。 
アコリバスタンド支柱内部の共鳴音でした。演奏しながら支柱の内部音を聞いたのです。 
 
アコリバの支柱に直接耳をつけると唸りを伴った金臭い音が長い残響を伴って響いています。 
楽音ではなく鉄管の中に頭をつっこんだような、聞くに堪えない異音が響いています。 
これが4本の支柱すべてから聞こえるのです。 
この内在音がSP本体から出る音に影響しないとは思えません。 
 
同様にSide-Pressもやってみましたが、ほとんど音は聞こえません。 
わずかに聞こえるのは、SPの音の延長上にあるいわゆる楽音でした。 
ステレオ試聴時に感じていたアコリバの音の違和感は、このスタンド内部音の影響のように思えました。 
 
この現象は、アコリバユーザーの方は勿論、オーディオショップの試聴室でも簡単に確認できます。 
アコリバ支柱内部の異音を聞いて、これが音に影響しないと言える人は、多分いないでしょう。  
この音が頭に残ってしまうと再生音の一部に含まれてしまうように感じるのが不思議です。 
人間の耳は、そういう異音を聞き分けてしまう優れた能力があるのでしょうか。 
 
(5)結論 
今回の比較試聴でアコリバスタンドの実態が良く分かりました。 
今までは、雑誌等の評判を頼りにアコリバも良いスタンドかも知れないです・・・と言っていました。 
しかし比較試聴を終えた今、倍半分の大きな価格差を考えた場合、とても推薦する気にはなれません。 
 
今回実験した結果と支柱内部の異音を聞いてしまったら・・・・、 
誰でもこれでは・・・・・・・・と思うのが分かるからです。 
アコリバは、各種材料を組み合わせ、自慢の共鳴防止材を封入して完璧に鳴りを抑えたスタンド。 
音楽を演奏していない、いわゆるスタティックな状態では、まったく鳴きませんから、そうかも知れません。 
 
しかし、実際に音楽を鳴らした時、つまりダイナミックな状態では、アコリバ内部は騒音でいっぱいでした。 
あれだけの物量投下が逆に悪さしているという感じでした。 
強固であるが故に根本的に対策の講じようがないのです。 
振動を良く吸収するインシュレーターを天板とスピーカー間に入れれば異音は減りますが、 
肝心の音はボケボケに・・・・これでは何のために高価なスタンドを使うのか皆目不明となります。 
 
以上、極めて主観的なものかも知れませんが、事実に基づく忌憚のない比較感想でした。 
この現象をお客様に実際に確認していただくことも大切なことと考え、試聴室の常備機材として追加した次第です。 
比較試聴をご希望の方には、随時体験できるようにしています。

(6)M様の感想   

上記内容をアコリバをご提供頂いたM様にご覧になってもらいました。以下は、その感想です。

アコリバ掲載(予定)、見ました。 
ある時期、自分が使っていたモノがあのような形でも掲載されているのはなんとなくいい感じですね。 
(ダメな例になる掲載なのですが・・・) 
 
アコリバ感想ですが、FAPSさんでの感想と我が家とは若干違いがあるように感じられます。 
記載内容より、遥かにアコリバの方がダメでした。 
ウチではとにかくデットな感じで、よく言えば響きを抑えた纏めた音、 
悪く言えば沢山あるのですが、無理に抑制した音という感じでしたね。 
静寂性についてももちろんサイドプレス圧勝です。 
アコリバが勝った点と言えば・・・ とても高価な価格で物欲心が満たされたこと、 
もの凄い重量感でイイモノなのではないかというフラシボーで満足できる点ではないでしょうか。 
 
サイドプレスは妻も音の違いを私同様に感じておりますので、確かだと思います。 
更にFAPS商品を選択される方が増えると嬉しいですね。 
音を聴けば一聴瞭然!なんですけどね。

●最後に   試聴室に来られたお客様の感想をご紹介させていただきます。

試聴室では、ご希望の方に上で行った(3)のソロ対決を実際に体験していただいております。 
以下は、その時に皆様がおっしゃられた言葉を並べたものです。

・スタンドでこんなに音が違うなんて想像もしなかった。 
・見た目と音は、一致しないのですね。アコリバの音がこんなに貧弱だったとは 
・この二つを聞いてアコリバを買う人はいないと断言できます。 
・Side-Pressのこの自然で伸びやかな音は、信じられない。アコリバの音は、つまらな過ぎる。 
・有名なスタンドが良いというのは、間違いだったのですね。 
・Side-Pressは、もっと積極的に宣伝すべきです。(お叱り) 
・このページは、事前に読んでいたが、書き方が甘すぎる。アコリバも良いスタンドというふうに読めてしまう。 
・アコリバスタンドの支柱の音を聞いて ・・・  ウゲエー  何ですか、この音 
・評論家は、この結果を聞いたら何と言うのでしょうね。恐ろしくて何も言えないのでは(笑) 
・音を殺すか生かすか、スタンド次第ということが良くわかりました。 
・Side-Prerssは、スピーカーの持ち味を最大限に引き出すスタンドということを実感しました。 
・その他