Side-Press Artist (アーティスト)スピーカースタンド 取り扱い説明書 (Ver.3.1)

 

この度は、Side-Press Artistスピーカースタンドをお求めいただき、ありがとうございました。
本説明書は、Artist スタンドの組立て方法と取り扱いの方法について記述したものです。
取り付け方法には、いろいろな応用が考えられますが、基本的な方法についてご説明いたします。
 
※本マニュアルの記載内容、写真等の著作権はすべてFAPSにあります。無断で流用、転載することを固く禁じます。
  Ver.3.1 (2016年1月 : プロ押し座のセッティング説明内容を改善、他)

Side-Press Artistのご使用に際してのご注意事項

●転倒に関すること
本スタンドは、スピーカーの脱落及び転倒しにくい構造としていますが、脱落・転倒防止を保証するものではありません。
地震等の災害発生時は、安全な場所に倒して置く等の処置を講じてください。

側面圧迫保持座は密着性のある硬質ゴム製であり、使用痕跡が付く場合があります。
 ・高温、多湿の環境で使用した場合、スピーカー塗装面に密着し塗装が剥離する可能性があります。
 ・表面が塗装仕様のスピーカーを使用する場合は、時々押し座を外して密着を防いでください。
   ドーナツ状の丸い接触跡は、消しゴムや濡れ雑巾等でほとんど取り除くことができます。 ※
 ・光沢塗装が施されたスピーカーに使用すると接触部分の光沢が変わる可能性があります。
 ・へアイライン加工等の表面凹凸処理が施されたスピーカーに使用すると溝部分にゴムが付着する可能性があります。※
 ・スピーカーを直射日光が当たる場所にセットした場合、スピーカーボックスの塗装が紫外線焼けを起こして退色することがあります。
  この場合、側面圧迫部分は当初の塗装色が残っているため丸い痕跡が見えることがあります。
  直射日光下でのご使用はお避けください。

 ※ 極薄のサランラップ等を押し座とスピーカー側面の間に挟むと防止でき、音質的影響もありません。
     フェルト等の滑りやすい素材を挟むとスピーカーが滑り落ちます。絶対におやめください。

●スパイク使用上の注意
 ・付属するスパイクは先端が非常に鋭く作られています。手足、指等に刺さらないように十分に注意してお使いください。
 ・床面及びスピーカー底面には、鋭角スパイクが刺さり、傷が付きます。必要に応じ木製ボード、黒檀ブロック等をご使用ください。
  注意! 床面スパイクの受けとして石材や硬質金属インシュレーターのご使用は、音質的に好ましくありませんのでお避けください。

●発錆について
本スタンドは、スチール製です。湿気の多い場所でのご使用は、錆発生の原因となりますのでご留意ください。
長期の使用で溶接部近傍は、錆が出た場合は、自動車用のタッチアップペン等で補修してください。

●サイドプレススピーカースタンド、使用上の注意事項(定期点検)について
本スタンドは、ボルトとナットの締めつけによりスピーカー及び各部品取り付ける構造となっております。
このため、使用時のスピーカー振動に伴いネジ部の緩みが発生いたします。
異常がない場合であっても、定期的にスピーカーの取付状態等を確認するようお願いいたします。
  

 
(1)使用中の点検頻度について
 ・本スタンドはボルトとナットにより締めつける構造となっているため、使用に伴いネジ部の緩みが発生いたします。
 ・外観的に異常がない場合であっても、1ケ月に一度以上の頻度でスピーカーの取付状態を確認するようお願いいたします。

(2)使用中の点検方法
 ・スピーカーを前後左右に揺すって頂き、スピーカーが動かず、押し座がきちんと接触していれば問題ありません。
 ・スピーカーがずれ、押し座面にガタがある場合は、押し座を少し強めに押しつけ直すようにお願いいたします。

(3)スピーカーのずれ落ちの要因
  以下のような要因が絡んでスピーカーのずれ落ちが発生する可能性があります。
 ・スピーカーが左右に傾いて取り付けられたため、使用中のスピーカーの振動によりスピーカーが動き、
  結果的に押しつけ力が弱まった。
 ・セッティング時の側面押し座の押しつけ力が弱かった。
 ・押し座部分の馴染み、ゴム収縮等により長さが短くなって押しつけ力が低下した。
 ・室内暖房によりスタンドが温まってスタンド本体の熱膨張が起き、側面押しつけ力が低下した。
 
(4)自重受け座位置について
 ・自重受け座位置は、スピーカーの重心より手前(スピーカー前面寄り)に設置してください。
  万が一スピーカーがずれた場合でもスピーカーはスタンドに尻もちをつくような状態となり落下を防げることがあります。
  重心位置より後ろに自重受けがある場合は、スピーカーは前方に落下し、破損する可能性が大きくなりますのでご注意ください。

(5)保証について
 ・スピーカーがスタンドから落下した場合のスピーカー、機材、床面の破損、怪我等は保証の対象外となっております。
 ・ネジ部の緩み等については十分にご注意くださるようお願い申し上げます。 

1.Side-Pressの仕組みとセッティングについて

Side-Pressスタンドは、スピーカーの重さをスピーカー下部の自重受け座で受け止め、
スピーカーの前後左右の倒れを左右の押し座で防止・調整する仕組みになっています。

側面の押し座は、あくまでも前後左右の倒れ防止用ですので、「強く締め付ける必要はありません」。
締めつけ過ぎにより支柱ネジを破損させてしまう事例がありますのでご注意ください。
(締めつけ過ぎによる支柱ネジの破損、押し座の破損は保証対象外です。)

(ご参考)
・適正な押し付け力を確保する為に、支柱の反りを押しつけ力として使っています。
・支柱上部は若干内側に傾いております。これはスピーカー取り付け後にスタンド支柱が外側に反り返るのを防ぐ目的であり、
 設計上意図的に行っております。

2.同梱部品の確認

最初にスタンドに同梱されている付属品の確認をお願いします。
標準モデルの付属品
 1)ベース用70mm鋭角スパイク:8ケ ナット: 8ケ
 2)標準タイプ 側面押し座:4本  ナット:8ケ
 3)球形自重受け座:2ケ  ナット2ケ (自在型受け座としても使用可能)
 4)13mmレンチ、 6角棒レンチ 各1
 5)セッテイング補助ツール 30mmストレートボルト 2本 フェルト 4枚
 6)取扱い説明書兼保証書 (本書) 1
 
Artist Proモデルの付属品
 1)ベース用70mm(または100mm)鋭角スパイク:8ケ ナット: 8ケ
 2)プロタイプ側面押し座:4本  ナット:8ケ
 3)100mmロングスパイク自重受 :2本  ナット2ケ
 4)カーボン円板自重受け :2枚
 5)13mmレンチ、 6角棒レンチ 各1
 6)セッティング補助ツール セッティング補助ボルト 2本 フェルト付40mm長ナット 予備フェルト2枚 
 7)取扱い説明書兼保証書  (本書) 1

本スタンドのネジは、すべてM8です。市販のボルトをお使いになる時はM8をご利用ください。
使用するスパナのサイズは、13mmです。

3.スタンドの組立て・設置

スタンドの組立ては、以下の手順で行います。
 
(1)スパイクの取り付けとスタンドの水平調整
 
(2)スピーカー用部品の取り付け
 
(3)スタンドへのスピーカー取り付け
 
(4)スピーカー取り付け位置・角度の微調整
 
(5)スタンド位置等のルームセッティング

3.1 スパイクの取り付け

注意!  スパイクは、非常に鋭利です。セッティング時に誤って足指等に刺さないように十分にご注意ください。

Artistは、スタンド1台に4ケのスパイクを使います。 ※下の写真では100mmのロングスパイクになっています。

家屋の床は一見平らに見えても実際には相当の凸凹があります。
床の凸凹に合わせてスパイクを均等に接地させること、これが重要なポイントとなります。
必ず実際に設置する場所にスタンドを立ててから、下記の手順に従ってスパイク長さの調整等を行ってください。
床保護の為に
黒檀キューベースを使う場合も黒檀キューベースを使った状態でセットしてください。
可能であれば、スパイクを設置した場所に何らかのマークを付けておくことをお勧めします。
 
※ スタンドを移動した場合も必ずスパイクが4点均等に接地していることを確認するようにしてください。
  1カ所が浮いている状態では再生音の帯域バランスが変わってしまいますので注意してください。 

70mmスパイクの取り付け(例) ロックナット締めつけ方法(例)

※70mm以上のロングスパイクを使用の場合は、ロックナットは支柱の上側に使用するようにしてください。より音質がクリアになります。


3.2 スパイクの取り付けと調整方法   

スパイクは正しく取り付けてください。良い音を出すための重要ポイントとなります。 
 
(1)スタンドを寝せた状態でスタンド前側にスパイク2本、後ろ側にスパイク1本を取りつけから設置場所に立てます。
  床面に直刺しできない場合は、黒檀キューベース等のスパイク受け(インシュレーター)を使って設置します。
   ※スパイクは必ず、スタンドベースの下側から「5mm以上」ねじ込んでください。
   ※ネジが硬くて指で回しにくい場合は、付属の6角レンチを使って事前にスパイク等を通してみてください。
(2)市販の水準器をベース支柱の上に乗せ、スタンドベースの前側が平行になるように左右のスパイク長さを調整します。
    ※床面に凸凹がある場合は、スパイクの飛び出し長さが不揃いになることもあります。
(3)スパイク3点を使ってスタンドを立て、この状態でべース後ろ側に予め取り付けておいたスパイク1ケ所の調整を行います。
  スタンド上部の自重受け支柱上に水準器を乗せ、スタンド前後方向が水平になるようにスパイク長さを調整します。
(4)残り一か所にスパイクを取付ます。
  スタンドの水平が保たれていることを確認しながら、スパイクをゆっくりと回し込みます。
  スパイク先端が床面に接触すると回す際の抵抗力が大きくなります。そこで止めてください。
(5)スタンドを軽く揺すり、スパイク4ヶ所が床に均等に当たっていること、スタンドが水平になっていることを確認します。
  4本のスパイクの先端が床に接触した状態になっていたら調整終了です。力を入れてスパイクを突き刺す必要はありません

  最後に付属の6角レンチを使ってロックナットを回しスパイクを固定します。
   
※ロックナットの取り付け場所は、ベースフレームの上側にしてください。
    ロックナットを使用しないとスパイクがガタつき、異音発生の原因となります。必ずロックナットをご使用ください。
  
3.3 スパイク長さ調整によるスピーカー再生音のチューニングについて 
 
 Artistスタンドは、スピーカ-スタンドとしては驚くべき機能を持っています。
 ベーススパイクの飛び出し長を調整することにより、低域から高域までのバランスを調整することが可能です。
 標準添付のスパイク70(実長、約68mm)の下部への最大飛び出し長は約45mmですが、飛び出し長が短いと中低音が豊かになり、逆に長くするにつれて高域が出るようになります。
 
※ロックナットはフレームの上側のみに使用するようにしてください。音質がクリアになります。

       

上の写真の左側は、100mm鋭角ロングスパイク、右側は40mmスパイクを使った例です。
スピーカーと部屋の音響特性に合わせ、お好みでチューニングなさってください。
オプション品として、長さ40mm、70mm、100mmのスパイクを販売しております。
 
4.スピーカーの取り付け

             

スピーカー保持用の部品を取り付ける前に、上の写真のようにスタンドにスピーカーを直接置いて、
スタンドとスピーカーの位置関係、スピーカー側面と支柱の距離を計っておきます。
 
注意! スピーカーをスタンドに乗せる時に、スタンドの角でスピーカーの底面等を傷つける恐れがあります。
     必要に応じタオル等を使い、スピーカーを静かに乗せてください。
     作業中は、スピーカーを落とさないように十分に注意してください。 
 
 ※ 作業中のスピーカー落下に伴う、人身・機材の損害に対しては、弊社では一切の責務を負いません。
 

4.1 スピーカー自重受け座の種類
 
自重受け座は、設置方法とお好みの音質に合わせ、各種オプション販売部品をご用意しております。
それぞれ音質が異なりますので、チューニング時の参考にしてください。

●標準添付品 球形受け座
スピーカーの振動を直接スタンドに伝えるのため、
音質に癖がなく、スピーカー底面に深い傷が付きません。
※付属の樹脂皿とステンレス補強カバーを取り付け、
  自在受け座としても使用できます。
●樹脂皿式自在受け座 (球形受け座代わりに選択可)
座面が樹脂製で自由に傾くのでスピーカーに傷を付けず
傾きを持たせて設置することができます。
音質は樹脂座面の影響で、ややマイルドな音質となります。

●標準鋭角スパイク (別売オプション品)
スタンドベースに使用する長さ約40mmの鋭角スパイクです。
球形受け座よりも振動の伝達経路が明確なため、さらにクリアな音質となります。スピーカー底面保護用アルミ円板等と共に使用します。
●ロングスパイク (Artist Proに標準付属。別売もあり )
左記の標準鋭角スパイクを長くしたものです。スピーカー底面保護の為にカーボン円板を使って取付ます。スピーカーを高い位置にセットできるため、空間表現能力を向上させることができます。
※ロングスパイクを使用の場合、ロックナットを下側のみに使用してください。音質がクリアになります。

4.2 スピーカー自重受け座位置の確認

自重受け座は、適正な取り付け位置を選ぶことが大切です。スピーカーの重心に近い取り付け穴を使用してください。  
自重受け座の取り付け場所は、スピーカー重心の少し前側に自重受けが来るようにセットするのが適正です。
スピーカーの重心位置は、その形状、構造によって変化しますが、一般的には、スピーカー奥行きの半分の位置から多少手前側に来る位置になります。

磁気回路が強力なスピーカーは、重心位置が相当に前進している場合があります。
 
●簡単なスピーカー重心位置の確認方法
以下の方法で重心位置を確認することができますが、判断が難しい場合は、中心より前方、奥行き寸法の約1/3程度の位置にしてください。
 
スピーカーを床面に直接置きます。床とスピーカーの間に丸箸やサインペンのように断面が円形のものをはさみます。
スピーカーをゆっくり前後に動かします。スピーカーが前後に傾きにくい位置が重心位置です。テープ等でマークしてください。

※重心位置が分からない場合は、フロントバッフルから奥行き寸法の約1/3程度の位置を重心点としてください。

スタンドにスピーカーを乗せ、上記方法で探した重心点に最も近い自重受けボルト穴を確認しておきます。
直近にない場合は、スピーカーのフロントバッフルに近い方の取り付け穴を選んでください。

     

球面軸受けを軽く取り付けます。ロックナットは緩めたままにしておいてください。

5.側面押し座の取り付け

標準押し座とプロモデル用のプロ押し座では取り付け方法が異なりますのご注意願います。


5.1 側面押し座取り付け穴の選択

Artistの左右支柱には上下方向に6ケの取り付け穴が設けられています。
上の3つは、M8ボルト用のネジ溝が切られ標準押し座用になっています。

下の3つはネジ溝のない直径8.5mmの貫通穴であり、Proタイプ押し座用になっています。

標準タイプの押し座の取り付け高さは、ウーハーユニットの中央付近が基本ですが、
ウーハーが上についているスピーカーの場合は高さの1/2付近の取り付け穴をご利用ください。

プロタイプ押し座の場合は下側3か所の取り付け穴を使用します。
通常は下から3番目の穴を使用します。

 

 
・スピーカーの上の方を押さえるとスピーカーの安定性が増します。

・スピーカー側面後方下部の角付近を押さえた場合は、スピーカーボックスの鳴りを抑えないため、
 スピーカーが開放的に鳴り響く傾向があります。 
ただし、下の方の取り付け穴を使用した場合は、スピーカーが後方に倒れやすくなります。
下側3か所は、押し座部分が回転しにくいProタイプ押し座を使用してください。

下側に標準押し座を使った場合は、スピーカーが回転・脱落してしまう恐れがあることをご承知おきください。 

 上記いずれの場合も、スピーカーが物理的に安定して保持されていることを確認してからお使いください。
 最初は側面押し座、自重受け座のロックナットを全部緩めた状態から開始します。

5.2 側面押し座の選択方法

側面圧迫座は、下表を参考にスピーカーの幅に合わせて使用するタイプを選びます。
標準タイプの側面押し座とProタイプの側面押し座は、取り付け方法が異なりますのでご注意ください。

押し座種類

適合するスピーカー幅(mm)

標準押し座 (樹脂ワッシャー組み込みタイプ)
 

左 : Type 100 販売終了
中 : Type 60 166 〜 226
右 : Type 35 216 〜 226

Pro押し座

Type 85 120 〜 240
Type 55 180 〜 240
Type 35 220 〜 240

 ※スピーカーの幅が大きくなるにつれて押し座ボルトが支柱外側に飛び出します。
 

 
●標準タイプ 側面押し座
 軸と座の間に樹脂ワッシャーが組み込まれています。
 押し座部分と軸部分が回転するタイプです。
 スタンド支柱のネジ穴を使ってセットします。
 押し座根元のナット部を回すことにより、簡単に押しつけ力を
 調整することができ、スピーカーを任意の角度にセット出来ます。
 調整後に支柱内外のナットをロックします。
 ※断面が水滴型や台形のスピーカーに使える場合があります。
 
 ●Proタイプ 側面押し座  
 押し座と軸が固定されているタイプです。
 スタンド支柱の貫通穴を使ってセットします。

 スピーカーの振動を確実にスタンドに伝達できる高音質押し座です。
 押し座(スピーカー)が回転しないため、スピーカーが傾かず、
 側面下部を保持するリフトアップセッティングに対応できます。
 支柱内側のナットを締めることにより、押し座を押しつけます。 
  ※原則として、側面が平行なスピーカー用の押し座になります。 

5.3 標準タイプ側面押し座の取り付け    プロタイプ側面押し座の場合は6.2章をご覧になってください。

標準タイプの側面押し座は、左右支柱の上部3か所のネジ溝を使用して取り付けます。
下の写真のように支柱両側にロックナットを取り付け、緩めた状態でセッティングを開始します。

    

注意! 
●左右支柱は、薄肉の中空パイプになっており、そこにネジ溝を切ってあります。
 強い力でネジを締め過ぎるとネジ溝を破損する可能性があります。
  本スタンドでは、スパナを握って力を入れて締める場所はありません。
 
●必ず支柱の外側のネジ穴にもネジが通るようにしてください。
  内側だけを使用するとネジ溝を破損する可能性があります。

6 スピーカーの取り付け

注意! セッティング中はスピーカーを落としやすいので慎重に作業を行ってください。
     出来る限り二人で作業し、一人はスピーカーを押さえているようにすると安心です。

左右の側面押し座の距離がスピーカー幅+3〜4mm程度になるように予め調整しておきます。
左右の押し座軸の飛び出し長さがほぼ同じになるようにしてください。

スピーカーは添付のセッティング補助ツールを用いてセットします。
詳細は以下の手順を参考にしてください。

 プロモデル用セッティング補助ツール

標準モデルの場合は、長さ30mmのストレートボルト2本と保護フェルトが付属します。 

※重要! プロモデルや逆向きセッティングを行う場合は、次の標準セッティング方法を良く理解してから実施してください。

6.1 標準セッティングの説明

標準セットの球形自重受け座(又は自在受け座)及び標準型の側面押し座を使用するセッティングです。 

  写真  説明

 

付属の30mmストレートボルトの6角穴が開いていない面に付属のフェルトを貼りつけます。

スピーカー底面の前と後ろにくるように補助ツールを5mm程度ねじ込んで取りつけます。

フェルト面までの高さを約25mmにします。

球形自重受け座(または自在型)の先端が補助ツールより下側になるようにしてください。

側面押し座を取り付けます。
片側2mm程度の余裕を持たせ、
スピーカー―が動くようにしておきます。

底面に傷を付けないように静かにスピーカーを乗せます。

スピーカーの前後位置と前後左右の傾きを調整します。

自重受け座は、まだ接触させないでください。

 

 

 

締め付け過ぎ

スピーカーが斜めになっていないこと、 スピーカーとスタンドの間隔が左右均等になっていることを確認します。

側面押し座の根元のナットを指先またはレンチで回して、左右の押し座をスピーカー側面に押しつけます。

押しつけ強さは、スピーカーを強めに押した時に少しずれる程度です。強過ぎると支柱が外側に広がってしまいます。

白色の樹脂リングが変形するほど締めるのは、締め付けすぎです。

 

スピ−カーがガタ付かなくなり、スタンドに固定されるまでレンチを使って”軽く”締めつけてください。

最後に支柱両側のナットをレンチで軽く締め付けて押し座をロックします。

ロックナットを使わないと支柱と押し座軸間で振動が発生し、音の濁りの原因になります。
必ずロックしてください。

側面押し座の締め付けが終わった後に自重受け座をセットします。

自重受け座を回して上に上げ、スピーカー底面に接触させます。

 

自重受けのロックナットを締めつけて固定します。

補助ツールを外します。

スピーカーがしっかりと保持されていることを確認します。

 

補助ツールを外します。

スピーカーがしっかりと保持されていることを確認します。

 

6.2 プロタイプ側面押し座のスピーカーセッティング方法

プロモデルに添付されているProタイプの押し座は、支柱の取り付け押し座取り付け穴がストレート穴になっている下側3か所のいずれかへ取り付けます。
スピーカーの下部コーナーはスピーカーの強度が非常に強い部分です。
このコーナー部を回転しないPro押し座で支えることにより、スピーカーをしっかりと保持できると共に、
スピーカーの側板の響きを阻害しない伸び伸びとした音を得ることができます。
またスピーカー位置を高くするとスピーカー周囲の空間が広くなるので空間表現力が向上します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セッティング手順説明図


 

6.3 プロタイプ側面押し座の取り付け 

プロタイプ側面押し座は、下側3ヶ所のネジ溝のない取り付け穴を使います。

※上のネジ溝付き穴を使うと押し座の回転と一緒にスピーカーが動いてしまうので、取り付けが非常に面倒になります。
 
下の写真のように支柱両側に取り付けますが、最初は内外のロックナットを緩めた状態でセッティングを開始します。

   

 

 


6.4 スピーカーのセット

  補助ツール

・付属のスピーカーセッティング補助ボルトにフェルト付き長ナットを取付ます。
・自重受けスパイクは先端が補助ボルトより低くなるように仮り取り付けしておきます。 

100mmロングスパイクの場合は、スパイクの飛び出し長さが70mmになるようにするのが適切です。

左右の側面押し座の距離がスピーカー幅+3mm程度になるように調整します。
左右の押し座軸の飛び出し長がほぼ同じになるようにしてください。
 
・下の写真のようにスピーカーを静かに乗せます。

スピーカーは、前後の補助ツールにより下には落ちません。
左右の押し座は、スピーカーの前後左右の倒れを防止しますので、落ち着いて作業してください。

フェルト面はスピーカーが滑りやすいので側面押し座の締付けが終わるまでは、
スピーカーを落とさないように気をつけて慎重に作業してください。

 

左右の側面押し座がスピーカーからわずかに接触している状態になるように、内側ナットを指先で回して調整します。
最初は押し座が下側に傾いていますので、スピーカーを左右に揺すりながら、押し座面とスピーカーが密着するようにしてください。

6.5 側面押し座の締め付け


最初にスピーカーがスタンドの中心にあり、左右に傾いていないことを確認します。
側面押し座の外側のロックナットがゆるんでいることを確認します。

スピーカー側面とスタンド支柱の間隔が左右均等になっていることを確認します。
押し座根元のナットを指先またはレンチで回して、左右の押し座を交互に押しこんでください。
<重要>
スピーカーを左右に揺すりながら、スピーカー側面と押し座のゴム面が密着するようにしてください。
押し座面が傾いていると、使用中にスピーカーが落下する原因になります。

スピ−カーがガタ付かなくなり、スタンドと押し座が密着固定されるまで内側ナットを少しずつ締めてください。
左右の間隔が等しくなっていることを確認してください。

      

 

指で締めつけて左右の押し座がスピーカーに密着し、ほぼ固定されている状態から、内側ナットを更に1回転ほどスパナを使って余計に締めつけます。
回し過ぎると支柱が外側に広がり過ぎてしまいますのでご注意ください。
  

左右のスピーカー側面と支柱の距離が等しくなっていることを再確認します。

6.6 側面押し座のロック 
 
スピーカーを前後左右に揺すり、ガタが無く、押し座面とスピーカー側面が平行になり、全面が密着していることを確認します。
最後に支柱外側のナットをレンチで軽く締め付けて押し座をロックします。

     

スピーカーが左右に固定され平行に取り付けられていることを確認します。
確認が終わったら、側面押し座のすべてのロックナットを締め付けます。 

6.7 スピーカーの傾き調整(水平出し)

面押し座の締め付けが終わった後に自重受けスパイクを所定の高さにセットします。

スパイクを回して上に伸ばしカーボン円板(またはアルミ円板)を介してスピーカー底面に接触させます。
カーボン円板の場合は、中央の凹み部分にスパイクを当ててください。

補助ツールを少し下げます。
スピーカの安定性を確認してから、補助ツールを取り外します。



補助ツールを外し、スピーカーが安定保持されていることを確認します。

次にスピーカーの前後方向の水平度を調整します。
写真のような水準器や水準器付きレーザーポインターを使うと確認が楽です。
スピーカー上面を水平にするのが基本ですが、好みに合わせ仰角を与えることもできます。
傾き調整は、自重受けスパイクの高さを変えることにより行います。

     

スピーカーを落とさないように、下部自重受け座のネジを回します。
スピーカーが水平になるように調整します。
レーザーポインターを使う場合は、試聴位置付近のレーザーポイントの高さが左右同じになるようにします。

高さ、傾きの調整が終わった後に、自重受け座の下側に取り付けたロックナットを締め付けます。
 

以上でスピーカーの取り付けは終わりです。

 

 

7.1 スタンド逆向きセッティングの方法

B&W社の805シリーズスピーカー等のように、側面が曲面で後方が絞り込まれた形状のスピーカーの場合は、 スタンドの前後を逆にすることでセッティングできる場合が場合があります。

※注意!!  側面が曲面のスピーカーの場合は、曲面の頂点付近を側面押し座で支持します。
形状によっては押し座面が片当たりになったり、重点位置が合わず、スピーカー保持が不安定になる場合もあります。
使用に際しては、スピーカーが確実に保持されていることをご確認の上、自己責任でご利用願います。

  写真  説明

← プロモデル

セッティング終了のイメージです。

スタンドの左右支柱が前方に来る逆向きのセッティングです。

一部の写真はArtistモデルのものです。
RBモデル、HSモデルも同じイメージとなります。

 

← 標準モデル

●プロモデル

スピーカー底面の前と後ろにくるように補助ツールを取りつけます。

ツール先端の高さを約70mmにします。

自重受けスパイクは、スパイクの先端が補助ツールより下側になるようにしてください。

 

●標準モデル

フェルトまでの高さを25mm程度にします。

自重受け座はロックナットを取り付け、一番奥まで軽くねじ込んでおきます。

← プロモデル

 

スピーカーを静かに乗せます。
側面押し座ナットを指で回して スピーカーにわずかに接触する程度にします。

スピーカーの前後位置、前後左右の傾きを調整します。

 

← 標準モデル

側面押し座を締めつけます。

可能な限り曲面の頂点付近に押し座が来るようにします。

側面押し座の締め付けが終わった後に自重受けスパイクをセットします。

スパイクを回して上に上げアルミ円板を介してスピーカー底面に接触させます。

補助ツールを緩めて下に下ろします。

自重受けスパイク下側のロックナットを締めつけてスパイク固定します。

スピーカーがしっかりと保持されていることを 確認します。

補助ツールを外します。

以上でスピーカーの取り付け終了です。

← プロモデル

 

 

 

 

← 標準モデル(自在型自重受け座)

 

 

7.2 スタンド設置位置の調整

スピーカーを正しく取り付けても、スタンド設置位置が正確でないと良い結果は得られません。
セッティングは、お使いになられているスピーカー、部屋の大きさと構造、リスニングポジションおよび
お使いになられている機材の特徴等が関係してきますので、一概にこれがベストとは言えない難しさがあります。

ここでは、Side-Pressをより良くお使い頂く為に、基本的・経験的に最良なセッティング方法と
チューニング方法をご紹介いたします。

7.3 スタンドの設置位置について
 ・可能な限り後方のスペースを広く取ってください。
  後方スペースが広いほど、ステージ感が広く深くなります。
 ・左右の空間も広めに(50cm以上。最低でも30cm)とるようにしてください。

 左右スピーカ間には何も置かないのがベストです。
 テレビ等を置く場合は、画面が必ずスピーカーの後方になるようにしてください。
 サイドプレスはスピーカーとスタンドが一体化していますので、スタンドにスピーカーを取り付けたまま移動できます。
 音楽鑑賞をする時だけスピーカーを前に出すことも有効です

7.4 リスナーとスピーカーの位置関係
必ずリスナーを頂点とした二等辺三角形とします。図のA寸法は左右の誤差が数mm程度にしてください。
 

正三角形にするのが基本ですが、無理に拘る必要はありません。部屋の空間に余裕がなく、スピーカーが両側の壁に接近してしまう場合は、A>Bとした方が自然な空間表現となります。 
出来る限りスピーカーの前後左右の空間を大きくとることが大切であり、特にスピーカー後方の空間を大きくとることが効果的です。
 
空間を広げようとしてB寸法だけを拡大するのは、音場の中間が薄くなってしまい逆効果になりますのでご注意ください。

左右のスピーカーと左右の壁面が近い場合には、逆にスピーカー間隔を狭くした方が音場が広がることも有ります。 
設置方法はスピーカーを内振りにし、スピーカーの中心線がリスナーの数十cm前で交差するのが基本となりますが、
必要に応じて内振り度合いを減らし、焦点を頭部後方に移動した方が良い場合もあります。
  
●参考までにFAPS試聴室で実際に行っている方法・機材を紹介いたします。

スピーカーの外側側面に水準器付きレーザーポインターを押しあて、レーザー投影される十字線を使って調整を行います。
・スピーカーから投影される十字線の水平線(横線)が左右同じ高さになるようにしてスピーカーの水平を調整します。
・スピーカーから投影される十字線の水鉛直線(縦線)がリスナーの頭の少し後ろ付近で重なるようにします。

スピーカースタンド FAPS  水準器付きレーザーポインターの投影線のイメージ。

十字型投影線の場合は水平・鉛直方向を同時に見ることができます。
スピーカースタンド FAPS    

左右スピーカーの水平角度の調整方法
天板にレーザーポインターを押し当て、左右に動かして使用します。 左右のスピーカーのスポットが同一の水平線上を移動すれば 左右の高さと並行度が合っていることになります。 

スピーカースタンド FAPS  スピーカーの内振り角度の調整方法
内側の側面にレーザーポインターを押し当て、上下に振らせて使用します。右のターゲットの左右中心にレーザースポットが来るように内振り角度を調整します。
上下に振らした時にスポットが鉛直方向に移動すれば スピーカが左右に傾いていないことになります。

レーザーポインターは、市販の事務用のものも使えます。
外径が円筒形でポインターの軸とレザー軸が同一軸状にあるものを選んでください。
本体を平面上で回転させた時にレーザスポットが同じ高さで平行移動するものであれば使えます。
実際に再生してツイターの音が強く感じる場合は、スピーカーを多少上向きにすると良いでしょう。
位置が決まったらスパイクの設置状態を再度確認し、各部のナットが緩んでないことを確認してください。

7.5 スタンドの設置面について

 ・木製の床にスパイクを直刺しして使うのがベストです。
 ・直刺しが出来ない場合は、MDF等の硬質木質系のボードかインシュレーターを使用してください。
 ・金属系、石材系、ガラス系のインシュレーターやボードとの相性は、ハイ上がりの音調になり良くありません。
  床面にスパイクで傷を付けたくない場合は、当社の黒檀製スパイク受け、またはカーボン円板スパイク受けが利用できます。
   FAPS黒檀キューベース

実用性重視の、安価で黒檀の素直な音調を生かした自社製スパイクベースです。
約30mm角のアフリカ縞黒檀製のサイコロに、すり鉢状のスパイク受けホールを設けてあります。
スパイク外れと安定性不足の問題が少なく、安心してご使用いただけます。 

7.6 床面が柔らかく直刺しができない場合の設置方法
 
床面がカーペットなど、柔らかい場合、小さなインシュレーターの使用は好ましくありません。小径のインシュレーターでは安定せず、更にインシュレーターの音が乗ってしまうので、音が混濁し、更にトーンバランスが悪化致します。
この場合は、木質系のオーディオボードをご使用頂くことになります。高価なボードである必要はありません。
ホームセンターなどで販売されているMDFで十分です。厚さ24mm程度、450mm角程度の大きさとし、スパイクを直接刺してご使用ください。
 ※御影石・大理石等の石材系ボードとの相性は、非常に良くないためお勧めしておりません。

7.7 スピーカーケーブルの固定について
Side-Pressスピーカースタンドの支柱は、音楽演奏中に相当に振動します。
スピーカーケーブルを支柱に固定してしまうと、支柱振動がケーブルに伝わってしまい、音が混濁するなど悪影響が出ます。
スピーカーケーブルは、絶対にスタンドに接触しないようにしてご使用ください。

8.最後に

Side-Press Artistの生み出すフラットな音質・豊かな音場表現を心行くまでご堪能なさってください。
あとは、あなたの耳とセッティングの腕前次第です。
実際に音を出し、ご自分の好みに合わせてセッティングを追い込み、最良の音を探求してください。
この様に取り付けたら、こんな音になった・・・等々、お客様の使いこなし方法を、メール等で是非ご紹介ください。
御了解を頂ければ、ホームページ等に掲載させて頂きたいと思います
Side-Pressスタンドが、あなたの音楽生活を豊かにすることを心より願っております。 
                                       ファミリーアーツピュアサウンド  志賀 一司

●製品に関する問合せ先
〒319−1416 
 茨城県日立市田尻町2−1−2 
 ファミリーアーツ ピュアサウンド
電話  0294-42-9641
FAX  0294-32-5025
E-Mail  saido-puresu@family-arts.com
HP  http://www.family-arts.com/ 

 Side-Press Artist 出荷確認印

 

 

 

●製品保証について     保証期間 : 納入後1年間

   納入年月 :                            

・通常の使用において支柱の折れ、溶接部の破損が発生した場合は、無償修理または交換いたします。
・スパイク及び押し座によるスピーカー・床面の傷及び塗装等の損傷は、保証対象外とさせていただきます。
・スタンド本体の発錆、支柱ネジ溝の破損は、保証対象外といたします。
・設置作業中・地震・事故等による転倒、スピーカー脱落等で発生した人身・機材等への各種損害は、対象外とさせていただきます。
・出荷確認印のないものは、保証の対象外となります。