FAPS    Side−Press スピーカースタンド お客様レポート

2004.11.15   北陸にお住まいのY様 (ディナウディオ Special25)

私のSP遍歴の中で、ここ数年でコンター1.3mkU、コンター1.3SE、
そして現在はSP25と3台ディナウディオを使ってきました。
スタンドだけはmkUの頃そのままでディナウディオ純正の旧スタンドマスター
(現在の太い一本柱のものではない、細めの4本柱の頃のもの)を使っていました。

しかし、1.3SEまではそれでも良かったのですが、
さすがに大きさ、スペックいずれも格段に異なるSP25と現在のスタンドマスターでは
明らかにスタンドが負けているのがよくわかるので真剣に買い替えを考えていたところ、Side-Pressを知りました。

それまではアコリバ(RSS-604)を第一候補で考えていましたが、
Side-Pressは理論的にも納得できるのと、御社HPはもちろん、かの2CHでも異例とも言えるくらい
とても評価がよろしいことから、視聴なしで思い切って購入することにしました。

使用された皆さんが揃って仰っている「音場が広がる」「スピーカーの存在が無くなる」等々、
とても楽しみにしておりました…。しかし、その一方、正直言うと、不安も感じていました。

それは、Side-Press自身への、というわけではなく、
特に前評判のいい物を購入する場合よくあることだと思いますが、
その評判の良さから自分の中で過度の期待を作り上げてしまった結果、
実際に購入した場合、逆に「こんなもの?」という結果になる。

つまり、確かに物自体は良くても、それ以前に自分の中で「妄想」に近い姿を持ってしまった結果、
その差がむしろマイナスに感じてしまい、それがその物自身への自分の評価になってしまう、という不安です。

「まったく期待していなかった物」が良かった場合、実際よりものすごく良く感じ、
得をした気分になる場合の逆パターンです。

そんな複雑な思いを感じながら、届いた梱包を開封し組み立てを始めました。

セッティング自体はマニュアル通り、結構すんなり完成できました。
他の方も仰る通り「SP25にジャストフィットだ!」というのがまず見た目の第一印象でした。

ただ、その一方では、今までのSPスタンドの常識からすると「あり得ない」その柱の細さに
「本当にこれで大丈夫?」と感じたのも事実です。
「高さ」については、実質10cm程度のアップ。
バッフル面が若干上向きなこともあり、リスニングポイントから眺めて「SPが聳え立っている!」
と思ってしまいました(ちょっと大げさ…ですが) でも決して悪い意味ではなく、
部屋の中でのスピーカーの存在がいい意味で大きくなったように感じ、好印象でした。


さて、見た目はとにかく「肝心の音は?」ということで期待半分、不安半分の気持ちで、
まずは自分のお気に入りのJAZZ(ピアノトリオ)を鳴らしてみました。

ところが…、「うわ、すごい!」ではなく、「あれ? 悪くはないが…、変わったかな?」
というのが正直な第一印象。この時、前述の「不安」が頭をよぎりました。
「期待しすぎだったのかな?」

とにかくいろいろ鳴らしてみようということで、何枚かJAZZ系インストCDを鳴らしましたが、
それでもまだ「???」。

そこで今度はボーカル物を、ということでノラ・ジョーンズ(SACD)を鳴らしたところ…、
その時、今までとの明らかな違いを感じました!

びっくりするくらいノラの声が前に出ています。
かといってバックの演奏が引いているわけではない。
結局、目を瞑ったままアルバム1枚聞いてしまいましたが、
その印象を表現するならば、まさに「演奏の中に自分がいる」感じで、明らかに以前と違って聴こえました。
他の方のインプレでも同じような表現がありますが、その受け売りではありません。
でも、実際、表現するならばその言葉が一番適切に感じます。

今思えば、私が好むJAZZはいわゆるラッパ系ではなくピアノ系、
しかもほとんどがピアノトリオであり、また聴いたのが深夜で、
あまりボリュームを上げられない状況ということもあって、「全員が主役」的なピアノトリオでは
あまり繊細でない私の耳ではすぐに違いが判別できなかったのに対し、
あくまで「主役は唄」のボーカル物では、それがより明確に感じられたのだと思います。

また、聴いている途中、思わずアンプのボリュームを確認してしまいました。
自分の感覚では「かなり大きく」感じたためです。
時間的に夜ということもあって「マズイ!」だったのですが、
実際アンプのボリュームはいつもと同じ「夜用位置」でした。

事前にFAPSの志賀さんからお聞きしたお話では
「これまで使っていたスタンドと比較した場合、スタンドからの反射音やSPの箱鳴りが激減するため
音がすっきりして再生レベル(ゲイン)が下がったように感じるかも知れません。」とのことでしたが、
私が逆に感じたのは、
「音も定位も明確になり、音場が広がった結果、自分の耳に必要な音が正しく入ってくる=
それぞれの音がクローズアップされる=雑音が無い=音楽に集中できる」結果、
従来と同じ音量でもむしろ大きく感じていたように思えました。
(部屋が6帖と狭いのも関係あるかもしれません)。
当然、これは「うるさい」大きさではなく「心地よい」大きさです。

いずれにしてもこの時点で先の「不安」はまったく無くなり、「これはスゴイ」モードになっていました。
不思議なもので、その後に最初のCDに戻して聴いてみると、これまた全く別物に聴こえます。

今、思うと「期待と不安」で最初に聴いたとき、自分の中では実は「不安」の方が強く、
無意識のうちに良いところではなく悪いところを探していたのかもしれません。
これは人間の意識の問題でうまく説明できませんが、とにかく後で聴くとやっぱりいいのです。


そして、土曜日の朝からまた鳴らし始めました。
今回は「昼モード」でボリュームも大きめです。
やはりまるで一枚ベールを剥がしたかのように全域に渡って音がクリアです。
こんな表現が合っているかわかりませんが「フォーカスがピッタリ合っている」感じです。

その中でも特に前と比較して「低音の響き方」に明らかな違いを感じました。
上手くいえませんが、ウッドベースがスピーカー全体で心地よく響いています。
特にウーファー下からの響きに違いを感じ、その余韻は前のスタンドの時には感じられないものでした。

元々小型ブックシェルフ型SPを使う以上、
他の大型SPのような「地響きがするような低音」を求めているわけではありません。
言ってみれば「小気味よく痛快な低音」とでも言いましょうか、
音の大きさはそこそこでも弦を弾く空気みたいなものを感じたい、と思っていましたが、
まさにその「空気の響き(余韻)」が感じられるのです。

でも、これって構造を比較して考えてみれば当たり前なのかもしれない、とも思いました。
理論的にはよくわかりませんので素人考えですが、
スタンド台座の上にスピーカーを載せる方法では、下方向の響きは台座で止まってしまいます。
しかし、Side-Pressはしっかり点指示で固定されながらも下部に邪魔をする台座はありません。
だから、スピーカーは前後左右、そして上下に自由気ままに自然に響きくことが出来、
それが「響きの違い」となって聴こえるのかな、と感じました。

試しに相当ボリュームを上げてみましたが、全く破綻は無く安心して、そして気持ちよく聴けました。
柱の細さも全然問題ないようです。
何よりSP25自身がベストの相棒と出会い、
一番気持ちよさそうに、のびのびと鳴っているように感じます。
まだまだ2日ではありますが、確実にいえるのは「噂に違わず素晴らしい」ということ。
最初不安も感じていただけに、今となっては無邪気に嬉々として鳴らしている自分がかわいくもあり、
そして「思い切って購入して良かった」と心より思えます。

それと「世間一般の台座型スタンドって、もしかすると根本から間違っていない?」とさえ感じます。
また、他のSP25ユーザーの方も仰るように「やっぱりSP25って能力あるんだ」と再認識しました。
(それゆえ「他の機材を変えればもっと…」という欲がムラムラしてきていて…、怖いですが)


特に私の場合、スタンド入れ替えを真剣に考えていただけに、
他のものを購入する前にSide-Pressを知ることが出来良かったと思います。
少なくともこれから「スタンドが問題…」と考えることは無さそうです。

以上、決して意図的に持ち上げるつもりではなく、私の本音ということで1stインプレを書かして頂きました。
これからきっと全国にSide-Pressファンがどんどん増えることと思います。
素晴らしいものを創って頂き、有難うございました。

なお、参考までに他の使用機材は下記のとおりです。
CDP:    アキュフェーズ DP−75V
SACDP: マランツ SA−1
PMA:   アキュフェーズ E−408


素晴らしいインプレ、本当にありがとうございました。
何も言うことはない、そんな感じです。
Side-Pressをお考えの方にとっても非常に嬉しい情報だろうと思います。

聞き始めてすぐにノラ・ジョーンズのアルバムを一枚聞いてしまった・・・
こう書いてありましたが、正直言うとこれが一番嬉しいことなのです。
私自身、楽器を演奏しており、様々な演奏に触れることも多いのですが
生演奏でも、CDでも最後まで満足して聞けるということが少なくなってきています。
Side-Presをお使いになっていただくことで、音楽に浸る時間が長くなった・・・
こう言われたいと思い、これからもがんばっていこうと思います。

素晴らしい感想ありがとうございました。

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