FAPS   Side-Press スピーカースタンド   お客様レポート

 

   静岡のS様のSide-Press HS/RBモデル導入レポート 

今回は、T−TOPスタンドをお使いだった静岡にお住まいのS様からのHS/RBモデルの導入レポートをいただきました。

S様は、往年の名器 DIATONEのDS-9ZをT−TOPスタンドでお使いというか、相当に使い込んでおられ、

これまでにも2回の導入レポートを頂戴し、紹介させていただいております。

静岡のS様 DIATONE DS-9Z T-TOPスタンド導入レポート

今回は、新たに導入されたイタリアCHARIO社のACADEMY 2を入手されたのをきっかけに、新発売のSide-Press HS/RBモデルを導入されました。

早速レポートを紹介させていただきます。



サイドプレスHS/RBモデル導入期

出会いがあって、CHARIO社のACADEMY 2というスピーカーを入手しました。

無垢のウォールナットをふんだんに使った、重厚な造りのイタリアの工芸品です。

ツイーターがデンマークのスキャンスピーク社製、ウーファーがフランスのフォーカル社製、
当時の輸入代理店が日本のパイオニアインターナショナル、という血統書付きの逸品?です。

T-TOPユーザーとしては、新型のサイドプレスHS/RBに載せてみたい、ということで、早速、お願いした次第です。




まず、手持ちの木製スピーカースタンド(20年前のDIATONE用)にインシュレーターを介してセッティングし、音出し。

リッチな低音が鳴り響きます。スタンドとスピーカーの周辺にまとわりつくような音空間は、この古典的なスタンドの特性だと思われます。
スタンドごと盛大に鳴っていて、良くも悪くも、‘存在感たっぷり’です。

これはこれで、管球アンプ&イタリアの謳うスピーカーの奏でる、陽性のおおらかで音楽性豊かな音として、それなりの魅力があります。

恐らく、イタリアはCHARIOの職人は、この手の音を出したくて、こういうスピーカーを造ったのだろう、と想像できるような系統の音です。

ヒトによっては、緩すぎる低音、と表するに違いありません。

音場の表現力も、このままでは得意とは言えないレベルです。

さて、サイドプレスHS/RBに載せると、どうなるのか?

パッと聴くと、素っ気ないほどの‘ごく普通の、自然な音’になります。

およそ、オーディオの再生音らしくない、自然な音です。

あんなに自己主張していたスピーカーの存在が消え、耳を近づけないと、鳴っていることを確認できない状態になります。

音色や各帯域のバランスも気になるところがありません。

古典的なスタンドからサイドプレスに替えたとたん、あたかも、全く性格の異なるスピーカーに替えたような、大きな変化が訪れたとも言えます。

盛大に鳴っていた低音がスッキリ消え去り、バランスの良い、モニタースピーカーに変身したようです。

これを聴いたら、イタリア人もビックリするに違いありません!

といっても、ツマラナイ音になったわけでは全くなく、豊かな音楽性はそのままです。

余計なところがそぎ落とされ、美味しいところだけを味わうような、贅沢な音がしています。

高域は透き通り、中域はリッチで、低域は膨らまず、超低域は床に染み渡る・・・と申し分ありません。

あるソフト(nicki parrott; Fly me to the moon VHCD-1023)では、
ボーカルがウッド・ベースを弾きながら歌うのですが、声はスピーカの中央1.5m位の高さにキッチリ定位しつつ、
ウッド・ベースの音が、ちょうど腰〜膝あたりの位置から聞こえてきます。

超低音は、あたかもエンドピンから床に逃げる様が感じられるように、ボーカルの足元に染みていくのです。

手持ちのSACD/CDを次々聴いても、「これで充分、何もすることがない。」というゴールに、あっさり、到達してしまいました・・・。

・・・以上、レポートを終わります。



・・・でも良かったのですが、もう少し、評価の基準を上げてみたい欲が出てきました(笑

これまで、オーディオの再生音は、正直なところ、自分の音の記憶を基準に、‘こういう風に鳴って欲しい’という漠然とした願望みたいなものと比較し、評価してきました。

オーディオで再生される音楽を鑑賞する行為は、一種の芸術鑑賞だと思いますが、自分の中の音楽を蜂起したり、共鳴を楽しんだり、天才に感動したり、という感覚です。

一方で、生の楽器の音を聴かずにオーディオ遊びに没頭すると、再生音が現実離れしていくことは避けられませんので、
時々、生の演奏を聴いて、自分の音の記憶を再確認する作業は欠かせないと思っています。

ただ、オーディオの再生音と楽器の生音を、直接比較して対決してみよう、などという大それたことは考えもしませんでした。

今回は、オーディオらしからぬ、ここまで自然な音が聴こえるので、ソロ演奏ならもしかしたら・・・と欲が出てきたのです。

目指すものが違う、とでもいいましょうか・・・。

そこで、ピアノの発表会なるものを利用して、ピアノの音がどこまで再現できているのか?という視点からセッティングを煮詰めてみよう、という無謀な野望を実践してみました。

もちろん、自宅で発表会があるわけでもなく、録音して厳密に比較するつもりもありませんので、
あくまでイメージの世界で、まだ記憶が暖かいうちに、ピアノの生演奏の記憶と自宅のオーディオの再生音を比較してみよう、という試みになります。

音源は、仲道郁代のベートーベン・ピアノ・ソナタ全集:1〜3番BVCC-34099、30〜32番BVCC-34108など(ピアノの銘柄はニューヨークのSTENWAY&SONSだそうです。)

相手は、YAMAHAのコンサートグランドピアノ(型番不明)で、ピアノからみてやや左斜め前4mで、浴びるように聴いてきました。

 

対決の結果や如何に・・・。

言うまでもなく、生のグランドピアノには、全く、敵いませんでした!
当たり前です!!

ただ、こういう視点で再生音をチェックすると、「もう何もすることがない。」と思われた音にも、幾つか問題点が見えて(聴こえて)きます。

100Hz付近にかすかに、こもり音が聴こえる、高域の伸びがもう一つ、などなど。

自重受けをスパイク化したり、足元のスパイクの長さをmm単位で調整したり、
ナットの締め具合やサイドプレス圧を拘ってみたり、スピーカーの位置を動かしたり、
スピーカーケーブルや電源ケーブル、ラインケーブルをあれこれ試したり、制振グッズを拘ってみたり・・・。

自重受けのスパイク化 サイドプレス条件とスピーカー位置調整
スパイク長さの調整


導入から3週間ほどで、ほぼ、手持ちのネタは全てやり尽くした感がありますが、

現状で、100Hz付近のこもり音&高域の伸び不足は解消され、

機材の能力は、潜在能力も含めて、限界近く(既に超えている?)まで引き出されているに違いない、という自己満足は得られています。

これまで、限界だと思っていた地点の更に奥まで来ていることは確かです。

ここから先は・・・。
覗くのも恐ろしい、魔界かもしれませんね(笑

環境は、以下の通りです。

スピーカー:CHARIO ACADEMY 2
プリメインアンプ:TRIODE TRV-88ST
SACD/CDプレーヤー:DENON DCD-1650AE
スピーカースタンド:サイドプレスHS/RBモデル(スパイク3点支持、黒檀受け)
スピーカーケーブル:SUPRA CLASSIC 2.5H

〜・〜・〜・〜

FAPS志賀の感想です。

レポートありがとうございました。実に的確なレポートと拝読させていただきました。

「およそ、オーディオの再生音らしくない、自然な音です。」 「これで充分、何もすることがない。」 との感想

この言葉を聞けば、私は十分です。 ありがとうございました。

で終えても良いのですが(笑) 

少しコメントさせていただきますね。

このスタンドの開発記にも書いたのですが、とにかくと言っても良いほど、このスタンドは余計な仕事をしてくれません。

スピーカーのありのままの音を出すだけではなく、システム全体のありのままの音を出してしまうような感じです。

音楽再生の最終段であるスピーカー。
この部分で盛大な鳴りで音を作ってしまうスタンドが使われると非常にもったいないことが起こります。

たとえば高級な木製のお茶碗の話しに例えると、

質の良い素材を長時間寝かせて自然乾燥させ、熟練された職人さんが手入れされた工具で整形加工し、
段階を経て丁寧に磨き上げた塗装下地に・・・・・
安物のアクリルラッカーをスプレー吹きするようなことになるのです。

多くの努力が、最後の瞬間に消えうせるのです。

このスタンドは、音に化粧をしません。
地肌の良し悪し、人で言えば体調の良し悪しまでをそのまま素直に見せてしまうのです。

オーディオには、様々な機材・アクセサリーがあります。程度の大小はあれ、音は変化します。
その変化を素直に出してくれるスタンドともいえるのです。
良いものを使えば、すなおに良くなり、変なことをすれば変になる。

改めて自分が作りあげてきた音の素晴らしさに感激することも多いと思います。

そして・・・すみません。人間は、欲深い生き物です。より良いものが欲しくなります。

ここから先は・・・。覗くのも恐ろしい、魔界かもしれませんね(笑

S様の感想をそのまま流用させていただきました。