2024年4月 宮崎にお住まいのイタリアン・レッド様から
覚醒410 の導入レポートをいただきました。
総評 抜群です!!!
2回目のレポート : FAPSコメントへの対応結果
詳細はこちら
寿司詰め状態と比較するべくもない「音」「存在感」があります。
スピーカーが、本来の姿(性能)を開放した感じです、これは開発者も聴けなかった音と思います。
とにかく情報量が凄く、これでもかと迫ってきますわ。
今までさんざん聴いていた音源・音楽から新しい発見があり嬉しいやら、色々教えられるやらです。
● FASP
Standレビューは2013年のArtist以来になります。
Artistは妻に取られてしまい、それから知人宅に嫁ぎました(笑)

以下、覚醒410導入の状態と感想です。
●到着、梱包はいつもの手練れた紐技。
●覚醒410設置状況と使用機器の説明から。

とりあえず空いているスペースに設置。
購入は2023年でしたが、仕事多忙と真空管パワーアンプの出力管の比較試聴(球転がしと言う)をあれこれやっていて、覚醒のセットは後になっていました(志賀さん、ゴメンナサイ)
スピーカーはハーベスHLモニターMKVです、40年近くの愛機。
イギリスBBCモニタ系です、BBC系の中ではちょっと明るめな音で、音像はちょっと前に出ます。幅325x高さ640x奥行300mm、13.5Kg。 低域用:20cmポリプロピレン製コーン型、高域用:ドーム型。音圧は87dB/Wでちょっと低め。
外側のスピーカーは旧EXACT社の20cmフルレンジを改造したもので、超強力磁気回路+軽量振動板で超オーバーダンピング型です。 振動板は、和紙で江戸時代の勧進帳から取ったもの(なにやら文字が書いてある)
中央の横向きスピーカーは同じハーベスHLモニターMKVで、現用機のネットワーク改造のためオクで安価購入。
乗かっているのは、ツイーター用ATT(ツイーター交換中でその調整用)
YAMAHAのスーパーウーファーが2つ手前にあります。2つとももらい物でまだ調整していません。

覚醒410廻り、マニュアル通りの位置に受け座を設置。

後ろの角材にネットワークを外出ししてもっか調整中。もちろん覚醒には触れていませんが、まあ、よい状態ではありませんな。

使用機器、CD→リクロック(MUTEC、MC3+USB、これ凄いです)→アップコンバーター→DAC(SUNVALLEY
SC-192s)→ PRE AMP(Marantz 7)→POWER AMP(左側のエレキット
TU-8800、真空管多極管シングルアンプ)→スピーカーです。 EQは接続していますが、 f特はフラットです。試聴はCDメインで行ってます。
出力管球転がし、今まで20種類位聴きました。
TU-8800というアンプは球種で言うと6V6、6L6、EL34、KT88、KT170などの多極管、ビーム管のほとんどが差替えて使えます。
トッププレート球や脚ピン位置が異なるものは、変換アダプターを使います。まあ夢のようなアンプですね。
アンプの詳細な説明は省きますが、真空管種類ごとの音質の違いを楽しみ、把握するにはよいアンプです。
シングルアンプですから出力は小さく定格の大きな球で12W位の出力になります。
アメ球、欧州管、近代管、ヴィンテージ管などで出音は全く異なります。

今まで使っていたスタンド。Rogers社製(イングランド)で鉄製、重い...よく鳴きます!
●覚醒410、試聴。
試聴音楽は、クラシック(弦楽四重奏、室内楽、ピアノ、ヴァイオリン、交響曲、オペラ)、Jazz、フユージョン、ロック、ボーカル、シアターサウンド(映画音楽)、ニューミュージック、歌謡曲、K-POP...と多岐になります。それと測定用信号や位相確認ディスクも。
鉄製スタンドから覚醒410に取替えると、大幅に音量が下がります。やはり鉄製スタンドはかなり共振していました。
ただ鉄製スタンドはイギリスBBC系スピーカーでは、よく使われていますね。イギリス人にとって鉄の響きは不快ではないようです。
でボリュームをちょい上げて...
●感想。
抜群です!!!
音数が半端ない、解像度メチャ高い、音離れ凄い、細かな音をとにかくよく出す、ニュアンス表現は非凡、音楽の空間表現が素晴らしい、
録音現場の空気感まで再生する、スピーカーの存在が消える、響きが美しい、愛聴盤の演奏者の音色やタッチ、奏法や声に違和感がない、
低音は速く深い、位相のずれが極めて少ない感じ、和声が濁らない、とにかく音楽の実在感がある...と凄い高評価になりました(嬉笑)
志賀さんが仰るように、 次元の違う、透明な音響空間が目の前に生まれます。
FAPSスピーカースタンドの基本概念、「スピーカースタンドは、細く、軽く」を追い求めた成果がこの製品です。 がよく分かります。
●主観。 宙吊り系スタンドは音をある程度美化しますが、覚醒はモニター的になりますね。モニター的な音は和らげることは出来ますね。
覚醒をあてがったスピーカーは、スピーカー自体がとまどい対応出来ないみたいで、慣れるまで鳴らしこみの時間が必要でしょう。
(ユニットは全開状態で、発音体として十分に機能していない感じ) 使用するスピーカーの限界点を、露呈するスタンドと思います。
宙吊り系スタンドより、設置と調整は非常に楽ですな(笑)
外観は全く気になりません「どやこれ、凄いぞ」と人様に自慢するものではないし、音楽は1人で聴きますから。
とにかく、この異次元のスタンドの開発と提供、ありがとうございます!
●課題など。 まず部屋にある余計なスピーカーの始末です。
現在、愛機ハーベスは3方を無用な長物に囲まれており、スピーカー間隔は1.3m位しか取れていません。 早めになんとか...
低音は速くて深いのですが、量感(厚み)が減った感じなのでSP位置調整などで追い込みたい。
ハーベスのウーファー(ポリプロピレン製)の癖が、よく出るようになったので調整の必要あり。
真空管パワーアンプ出力管の比較試聴でも、上記の感想の違いは同じ様に出ますが、覚醒では根本的でありより大きくなりますね。
パワーアンプが真空管シングルアンプ(ちょっと非力)なので、他のプッシュプルアンプや半導体アンプでも試します。
覚醒を前方に引っ張り出して、孤高の存在にして、ということは重々承知しています(笑)
現状は「とりあえず」で、この配置であれだけの音になるのですから、逆に驚きです。 孤高の存在にしましたらまたレポートしますね。
● FAPS 志賀の感想(1回目)
サイドプレスArtistから早10年以上、大変お世話になっています。
中大型用の覚醒410(360)の詳細レポートが少なかったので大変に嬉しいです。
ほぼポン置きの状態でのご試聴と感想。 セッティングに拘るFAPS店主の私としては、寿司詰め状態的な現状には驚きました。
その良くない(悪い)状態であっても、ご満足いただける結果が出たのは、意外でもありますが、素直に嬉しいです。
頂いた感想のほとんどが、そうだろうな! そうだよね! と納得できるものでした。
覚醒を前に引っ張り出して、周囲の空間をフリーにして鳴らすと、また大きな変化が出て、文字通りの「孤高の存在」になると思います。
とは言え、環境の変更は大変な作業です。とりあえず、現状で新鮮になった音楽をお楽しみください。
次なる試みでの新たなレポートを楽しみに待たせていただきます。
2回目のレポート : FAPSコメントへの対応結果
●前回のレポートで懸案となっていた、スピーカー寿司詰め状態を改善しました。
メインのハーベススピーカーを孤高の存在にして空間的にフリーにしました。
不用なスピーカーは部屋の反対側に置いたり、48kgもあるスーパーウーファーは隣室に移動(メチャ重いわー)
イヤー実に気持ちいい空間になりました(これも断捨離ですな)
移動中
(ボード下部に使用していたウエルフロートも撤去)
●スピーカーと覚醒の位置。

スピーカー左右間隔は、中心間で2000mmに広げた。(マニュアルにある推薦値) 前回は1300mmだった。
内振りをやめ平行面設置(これもマニュアルにある)
覚醒前部受け座の端からSP前バッフルまで20mm、左右受け座は同間隔。
覚醒下は500x500x50mm厚の集成材板を敷いてます(床に凹凸があるので、覚醒ベースががたつくため)
SP後部はガラス(カーテン部)で、SP後ろ板から約600mm離れ(精一杯距離)
SP位置と耳までの距離などは、レーザーポインターと距離計で5mm単位で合わせました。
再調整は後からするとして、この状態で試聴。使用機材と音源は前回と同じです。
●SP環境・位置変更後の試聴結果。

寿司詰め状態と比較するべくもない「音」「存在感」があります。
スピーカーが、本来の姿(性能)を開放した感じです、これは開発者も聴けなかった音と思います。
とにかく情報量が凄く、これでもかと迫ってきますわ。
今までさんざん聴いていた音源・音楽から新しい発見があり嬉しいやら、色々教えられるやらです。
スピーカー面は内振りより平行面設置の方が、空間表現が高い。
人によって求める音は異なりますが、求める音世界を変えることなく基音をグレードアップします。
これは良質な電源改修をしたような変化と同じと思います。
これは録音の素をさらけ出す「モニタースタンド」ですね。よい録音はよいが、悪い録音や加工ははっきり提示します。
これは他の機器の素性や部屋の特性をさらけ出しますので、機器のグレードアップやチューニング、ルームアコースチック調整が必要になります。
覚醒はスピーカースタンドというアクセサリーでなく、コンポーネントツールですね。
まあ単純に、いい音と聞き惚れています(笑) 柔らかな馥郁(ふくいく)たる音も堪能しています。
●今後。
SP設置位置と間隔をmm単位で調整、機器のチューニング・グレードアップ、室内音響チューニングなどをコツコツやって、
より良い音に仕上げて行きます。
特にスピーカーからの耳までの距離と左右SPの間隔が重要ですね。
試しに左右スピーカーの中心線の離れたところから徐々にスピーカーに近づいていくと、
音量が上がってバランスよいスイートスポットが分かります(再生音は部屋の定在波の影響を受けますから)
●レポートを読まれた方に。
※FAPSのスタンドをお使いでSP廻りが寿司詰め状態の方は、ぜひスピーカーをひとりぼっち(孤高の存在)にしてあげて下さい。
別世界が展開しますこと保証します(私が保証したところでなんの意味もないですが、まあそこはそれ、笑)
※FAPS近隣の方は、車に愛用のスピーカーと愛聴盤を乗っけて遊びがてら試聴に出かけてみて下さい。
人生、面白く楽しいことになること請負います(笑)
※覚醒に乗っかるスピーカーをお持ちの方は、ぜひ導入を薦めます。
オーディオと音楽の世界観が本当に変わります、このスタンドを使わないで音楽を聴く時間が勿体ないと思います。
価格は性能比から考えるとメチャ安価で、しかも良心的価格です。
また、なにやら小型SP用も開発中とのこと...
※覚醒に乗せたSP位置調整は、下部Tフレームに片足を軽く乗せ押さえた状態で行うと受け座がずれずに出来ますよ。
また大きな変化がありましたら、レポートします。
● FAPS 志賀の感想(2回目)
力仕事となる設置環境の見直しと改善を行って下さりありがとうございます。
素晴らしい理想のセッティングです。もう私がコメントすることは、ほとんどありません。
それどころか、他のお客様へのアドバイスまで頂き、恐縮しております。
すべて事実でございます。 覚醒を導入し、正しくセッティングすることでオーディオと音楽の世界観が本当に変わります。私も元には戻れません。
小型SP用も開発中とのこと...あら、ばらされてしまいましたね(笑)
超小型クラスのスピーカーも使えないか、というお問い合わせが意外と多いのです。何とかしなければと試行中です。
問題はコスト。何か新しいことをしようとすると想定以上にお金がかかります。ここも最適解を出すように頑張ってみます。
 
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