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   2016.02.04 スピーカースタンド設置用ベースの比較試聴  

※ 2016.2.15 MDF2枚張り合わせボードの結果を追記しました。

FAPS試聴室 スタンドベース不使用状態

FAPSの試聴室の床は厚さ10mm程度のウール絨毯です。
スピーカースタンドのスパイクは、この絨毯を貫いて下地のパネルに乗っています。
FAPSのスパイクは先端を非常に鋭利に尖らせていますが、当初はこの絨毯を貫くことが目的でした。

しかしながら絨毯敷きの部屋は少なくなり、この環境では試聴にこられるお客様の環境とは合わないと思えるようになりました。
将来は木製フロアにしようと思っていますが、今回はスピーカースタンドの下にボードを設置して変化を見ることにしました。

準備したボードは以下の3種類です。

・某K社のオーディオボード55mm厚600mm角・・・重さ20.5kg(比重1.03)
・24mm厚500mm角の重量級MDFボード(化粧ビニール仕上げ) ・・・重さ5.0kg(比重0.83)
・今回の試行の目的とした、21mm厚450mm角の市販MDF材・・・重さ2.7kg (比重0.63)

21mmのMDFはホームセンターで市販されていることがあり、価格も畳サイズで3〜4千円程度と安いのです。
1枚から450mm角を8枚取れることも魅力なので試してみました。

FAPS試聴室



最初に音質変化をチェックしました。
スパイクは直刺しと共に、音質的な癖が少ない自社のカーボン円板凹付きスパイク受けを使用しました。
実効厚さ2mmと素材由来の音質影響を可能な限り減らした自社製のスパイク受けです。

最初に4万円程度だった市販のオーディオボードをテストしました。先日までラックベースとして使っていたものです。
内部に鉄球を封入してある重さ20kgを超えるとても重いボードです。

クリプトン社オーディオボード・・・使えない
はっきり言って、私の好みとは違う音になるようです。駄目でした。
音の輪郭が強くなるのですが、厚みがついてきません。昔のドンシャリ系に近い感覚です。
振動を吸収するのではなく、スタンドに返してくるタイプです。
音色が派手になりますが、落ち着きません。高域には歪感すら感じてしまいます。
カーボンスパイク受けの使用有無でも音質に大差はありませんでした。

使わずに床直刺しの方が圧倒的に落ち着いて透明な高音質の音が出ます。
高価であり、大きすぎて使いにくいのでお勧めの対象外としました。


次に試したのが、24mm厚、500mm角の重量級MDFです。
FAPS試聴室

床直置きに比べると、明らかに低域の輪郭が太く量感も増えています。
結構ボードが鳴っているという印象ですがスタンドの振動を返すのではなく、しっかりと受けて自分の音を出している印象です。
普通に聴いているとオーディオ的な効果も高く、直置きよりもインパクトの強い音と言えます。

カーボンスパイク受けを外すと輪郭がボケてきますので、明らかに使った方が良いです。
500mm角は、少し大きすぎるようで、それが鳴きの影響に出ているように思いました。
ビニール化粧シートも音の反射に多少は悪さをしているようです。


それではと少し小さめのものを、と新たに求めてきたのが、21mm厚454mm角のMDFでした。

最初は24mm厚の450mmを考えたのですが、近隣のホームセンター(資材館)等では在庫なし。
通販で見積りを依頼した結果、450mm8枚カット料金込みで、1万円弱でした。

逆に厚さ21mmはどこでも在庫があり、値段も3〜4千円前後と手頃、カットも1カット50円から100円程度
素材寸法は915mm×1825mm、鋸のひき代を差し引いて、454mm角が8枚も取れます。
お客様も入手しやすいことも考え、使って結果が良ければお勧めしたいと考えたわけです。

手持ちの24mmMDFは、床用の重量級MDFでずっしりと重いものでした。
今回購入したものは、使っているチップが微細で若干軽い素材とと思われます。
表面は非常に滑らかですが、外形寸法の差以上の軽さを感じました。

FAPS試聴室
21mm厚、450mm角のMDFベースの使用状況

出てきた音は・・・良く言えば元気はつらつ♪
スピーカーの音が明らかに軽やかになります。低音の質感も量感も悪くありません。
音の濁りまでは感じませんが、透明感が減って、落ち着きが感が少ない音になりました。
高域は素直に伸びていますが、24mm重量級MDFに比べると腰軽な印象です。
絨毯で浮いている状態になってしまい、MDFの鳴きの影響が強めに出てしまうようです。

とは言え、自分で調達すれば1枚の素材から454mm角が8枚取れて、1枚500円程度・・・
使用場所が畳や柔らかいフローリングでMDFが密着配置できる場所だったら使えると思いますが、やはり役不足を感じます。

この時点での試聴室のベストは、やはり床にスパイク直刺しでした。
ボードを外すと落ち着く柔らかで透明な音が戻ってきます。


追加実験  MDF2枚重ね

21mmMDFでは役不足を感じたため、2枚を重ねた重いものを作って試してみました。  
FAPS MDF2枚重ね スタンドボード
ボード全面に木工用ボンドを塗り、まる1日間圧着しました。
454mm角、厚さ42mm、重さ5.4kgのボードが出来ました。1枚の時とは持った印象が別物です。

FAPS MDF2枚重ね スタンドボード
MDF2枚重ねボードの試験中です。
重量級MDFで効果があったカーボンスパイク受けも併用しました。
音は、ほぼ満足!   使える使える!という状態になりました。
安っぽい鳴りが失せて落ち着いた音になっています。  これなら許せる、役立つというレベルです。

このままでは、ちょっと寂しい外観のため、プラスチックのアングル材を使ってサイドプレススタンド風の化粧を施してみました。
FAPS MDF2枚重ね スタンドボード


FAPS MDF2枚重ねボード試聴テスト
試聴テストの様子です。
中々腰のすわったまとまりの良い音です。低域の量感と輪郭が明瞭になり良く沈む印象です。
十分に使えるレベルです。
ホームセンター等で簡単に入手できる材料でボードを自作したいという方にご紹介しようと思います。



試聴に来られた方の体験用に、今回の材料、1枚もの、2枚もののボードを残しておき、実体験していただくことにします。