Side-Pressを超えるSide-Pressを求めて・・・・・
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Thema 1  スタンド材質と構造の差を見極めよう!

Side−Pressスタンドは、鉄製の異型のスピーカースタンドです。
他の市販スタンドには、類例がない細い鉄パイプスタンドと側面圧迫支持。
このスタンドの材質とスピーカーの支持方法を変えたらどうなるのか? 今のSide-Pressとの違いはどの程度?
理屈ではなく実際に試してみました。 木製の一本足Side-Pressの登場です。
試験期間は、約1週間。以下は、その概要のご紹介です。

評価は、試験者の主観的なものですが、その妥当性は複数の方々にご確認と納得を頂きました。

  実験状況(写真) 説明&評価
被検体
(1)
FAPS スピーカースタンド 評価用に制作した木製スタンドと
Side−Press上部構造部品

 

木部には、長期間乾燥させた極めて均質な赤松無垢材を使用。

スタンド本体(支柱)は100mm□。
足部は80mm□。

支柱と足部は組み構造と接着により、
強固に一体化してあります。

Side-Press部は、Side-Pressの上部を流用。
下部自重受けは、側面押し座を使用。

厚さ5mm、100mm□のプレートを溶接。
支柱の凹部にセットし、木ねじで固定する構造。

SPの重心部分の側面と底面で受けるのが
現在のSide-Pressとの構造的な相違点。

質量 : 約7kg/ケ

被検体
(2)
FAPS スピーカースタンド  スタンド完成状態の比較写真

 

TEST1 FAPS スピーカースタンド  試験(その1)

使用したSPは、B&WのN805。

木製スタンド上部に直接SPをセット(べた置き)

 

spike.jpg (17170 バイト)
木製足には、Side-Press用のM8の鋭角スパイクを取り付けました。これがないと非常にお粗末な音になります。

 

TEST2 FAPS スピーカースタンド ●単体試聴

出た音は、意外に聞きやすい音でした。
ちょっと予想外。

疲れにくそうな優しい音。
音が太いというのが第1印象。
低音の量感少なめだが沈みは十分
定位も良い。
ちょっとリアルな緊張感もある。
ホール音の雰囲気も良い。

ああ・・・これが木製スタンドの響き・・
そう感じさせられる音です。

これはこれで良いか・・・
そうも感じられます。

ただし、SPの安定性は皆無に等しく
小さな地震でも落ちそうです。
これは製品にできないです。

TEST3 FAPS スピーカースタンド ●比較試聴

モノラルの同一ソースでSide-Pressと比較試聴。

この段階で今回の実験の8割の答えが出ました。
Side-Pressに切り替えると一気に音が明瞭になります。

Side-Pressが、ほぼ完全な「点音源」の音を出すのに対し、左側は、「線音源」になっていました。

SP中心の鳴りが支柱に沿って下方向に延長され、
音源の中心がSP底面付近に下がっています。

人の口が、まるでエイリアンのように下方向に伸びた巨大な口になっていました。
Test2のインプレを読むと恥ずかしい・・・・
比較して初めて気がついた、修行不足だ・・・。

これだけで上下方向の定位に大きな差が出ることがわかりました。ステレオでの比較テストでそれを再確認。ひな壇で演奏するオーケストラ奏者の位置関係の表現で明らかな差が出ました。

スタンドが鳴るタイプは、それだけ音源の大きさが拡大されると推定できました。

TEST4 FAPS スピーカースタンド ●天板テスト

同一素材の厚さ40mmの天板を
木ねじで取り付けました。
底面積は、SPとほぼ同じです。
通常の木製スタンドのイメージです。

天板を取り付けると、天板を境にして
音源が上下に分割されることが確認できます。
TEST3より明らかに腰高な音です。
音源の高さは、バスレフポート付近にあるように感じます。

非常に華やかと言えますが、長時間聞ける音ではありません。

天板なしと比較して、音質的には明らかに混濁感が増し、定位は悪くなっています。

中音域のエネルギーバランスが大きく、特に低音部分の輪郭がぼけ、低域が沈み込まず床の上でなっている印象。音が薄いとも感じます。

これが一番駄目でした。
天板の影響がここまで出るとは・・・
想像以上でした。

TEST5 FAPS スピーカースタンド ●インシュレーター

天板とSPの間にインシュレーターや振動防止材当を挟みテストしました。
インシュは、均等な接地を図るため3点支持としました。

天板のみよりはマシな音になるケースもありましたが、基本的に腰高傾向が増します。

写真のステンレス製のインシュでは、SN比が向上し、スピード感が増しました。硬質インシュは同様な傾向があるようです。
左右の広がりも増えました。

但し、音源が上下に分割される傾向があります。
スタンドの音が気になった瞬間にイヤになる要素があります。

木・ゴム系は、音が落ち着く傾向と言えますが、
明らかに鈍い音になります。
これを柔らかな響きと言う人がいるかも知れないな。ふとそんなことを思いました。

TEST6 FAPS スピーカースタンド ●木製Side-Press

今回の目的の一つ、木製支柱と鉄製Side-Pressユニットの組合わせです。

woo_sidep805.jpg (16715 バイト)

天板ありの場合を明らかに超える明瞭な音が出ました。Side-Pressの音に近いものの華やか印象です。

中域の支柱の鳴りが感じられ、自己主張しているのがわかります。これが響きが多すぎ、華やかな印象を作っているのがわかります。

低域の伸びと沈み込みはあるが、Side-Pressと比べるとよりひ弱に感じられます。

定位も結構よくて、これだけ聞いていると、
「うん、これはなかなか良い!」という印象です。

TEST7 FAPS スピーカースタンド ●Sede-Press05

変えた瞬間に圧倒的にSN比が良くなることが感じます。音のグレードが数段上がります。
test6の音は、これを聞くとピントがぼけた音であったのが良くわかります。

中音域の出っ張りがないため、全体に滑らかで高域と低域の伸びが感じられます。

左右方向のみならず上下の定位が明瞭なことも再確認、その理由が点音源がスタンドにより線音源と化すことによるものということを改めて確認できました。

結論・・・・
木製Side-Press ・・・・
木と鉄を単に組み合わせただけでは駄目・・・ 今回の教訓と成果でした。

道路標識のような足も格好悪すぎでした。

参考 FAPS スピーカースタンド ●つい最近、当ショップで行ったブリロン比較視聴会の1シーンです。

お客様の持ち込んだものを含め、
3種類のブリロンとスタンドの比較試聴がメインでした。 (詳細は、次回にご紹介します。)

この中でブリロンによる上記テスト結果の再現テストも行いました。SPが変わっても基本的な音の傾向は同じでした。

 

蛇足ですが、左右端のSPは、
YAMAHAの超小型3way NS1000MM。

Side-Pressと組み合わせたところ、
予想外に格調の高い音を出していました。
SPを見せなければ、数十万のSPと言ってもわからないでしょう。

次なるSide-Pressを日々思考していますが、関門は思った以上に高そうです。

しかし・・あるアイディアが!!  これは、後日のお楽しみということで。     FAPS