family-arts FAPS サイドプレス スピーカースタンド 音響パネル 凛

 
 
●Proタイプ押し座取り付け説明  (リフトアップセッティング、支柱穴貫通タイプのスタンドへの押し座取り付け方法)


サイドプレススピーカースタンドの使い方としてスピーカーを高い位置に持ち上げてセットする”リフトアップセッティング”があります。
スピーカーの最も剛性の高い下部コーナー部分を固定し、スピーカー全体を自由に響かせられるため、よりダイナミックでクリアな音質が得られます。スピーカー下部の空間も大きくなるため響きに余裕が出るのも特徴です。

通常の標準押し座を用いたセット方法では下のように側面の押し座位置が重心より高い位置にあるため、
スピーカーは安定して保持されます。

標準押し座によるセッティング例

下のようにリフトアップセッティングを行った場合は、側面押し座位置がスピーカーの底面近くになるため、
重心より低い位置になり、スピーカーを前から押された場合に後ろに倒れやすくなります。

 Proタイプ押し座を使ったリフトアップセッティング例

後方への転倒防止及び音質向上に役立つのが、ここで紹介する「Proタイプ押し座」です。

標準タイプ押し座
 

押し座後方の樹脂リング部分で押し座と軸部分が回せる仕組みになっており、スピーカーを動かさずに側面押し圧を調整できます。
取付け終了後もスピーカーを任意の角度に傾けることができます。
このことが災いし、押し座位置が低いとスピーカーが後ろに傾き易くなるのです。

Proタイプの押し座

押し座と軸部分が固定されており、回転しません。
スピーカーの振動がダイレクトにスタンドに伝わるため音質変化が少なく明瞭な音になります。
取り付け後は押し座が回転しないため、リフトアップセッティングを行っても後方への倒れを防げます。

ただし取付けを行う場合、押し座を回して押しこむとスピーカーが一緒に動いてしまい、セッティングが面倒になります。
通常のM8ネジ穴付きの支柱のスタンドの場合は、腕力で支柱を反らしている間に押し座をねじ込む等のコツが必要になります。

この面倒さを解消するのが、押し座用のM8ネジ穴のネジ溝を削り取ってしまい貫通穴(通称、バカ穴)に加工する方法です。
8mm〜8.5mmのドリルで穴を拡大してしまうのが手っとり早い加工方法です。
(自分で加工する場合は、支柱内部に切り粉が入りますので磁石等を用いて除去してください。)

この貫通穴式の側面押し座取り付け穴を最初から備えたスタンドがProタイプスタンドになっております。
※ 標準タイプのスタンドであっても購入時にご依頼いただければ貫通穴に改造して納品(有償)することも出来ます。 

以下はProタイプ押し座と貫通穴の支柱を持ちいる場合のセッティング方法を示したものです。


Proタイプ押し座の使用方法

支柱の取り付け押し座取り付け穴が、ストレートの貫通穴になっているスタンドへのスピーカーセッティングの事例を紹介します。

ここで使用している押し座はProタイプ85、自重受け座は樹脂受け皿付きの自在受け座です。
スピーカーの高さを高中低の3段階に変えたセッティングの事例紹介となります。

!! セッティング中はスピーカーを落としやすいので慎重に作業を行ってください。
    出来る限り二人で作業し、一人はスピーカーを押さえているようにすると安心です。

※自在型受け座の代わりに球形受け座あるいは下のようにロングスパイクを使用してセットすることもできます。
 100mmロングスパイクを使用した事例


1.低位置セッティング

1)部品の仮取付け

Proタイプ押し座と自重受けを予めスタンドに取付ます。

側面押し座は内側のナットだけを取付け貫通穴に通しておきます。
自重受け座にもロック用のナットを取り付けておきます。

2)スピーカー取付高さの設定

 

適切な厚さのスピーカーを安定して乗せられるものを置きます。
ここではハードカバーの本をスピーカー乗せに使用しています。

自重受け座は、本よりわずかに低くなる位置に取り付けてください。ナットをロックする必要はありません。

3)スピーカーのセット

スピーカとスタンド支柱間の距離が左右等しくなるようにスピーカーを置きます。

スピーカー下部の背面近くに押し座が来るようにスピーカーの前後位置を決めます。

4)位置調整とナット締めつけ

スピーカーが動かないようにチェックしながら左右の支柱内側のナットを時計方向に回し、
左右の押し座が均一に接しながらスピーカーを挟みこむようにします。

左右の押し座がスピーカー接触してから90から180度程度ナットを締めつければ十分です。
締めつけた後に指に力を入れるとスピーカーを動かせる程度の軽い力です。

!! 締めつけ過ぎは機器の破損や音質劣化の原因となりますのでお避け下さい。

慎重に本を抜きとり、スピーカーが落ちないことを確認してください。
自重受け座を指で回転させ、スピーカーが水平(あるいは少し上向きに)なるように調整します。
傾きが決まったらロックナットを軽く締め付けてください。

最後に外側のロックナットを取付け軽く締め付けます。
これでスピーカーのセッティングは終了です。


2.中位置セッティング

スピーカーを約50mm程度持ち上げるセッティングです。
スピーカー高さのセット方法を紹介いたします。各部品の調整方法等は、低位置セッティングと同じなので省略します。

1)部品の仮取付け

    

   50mmの直ボルトを取付けます。       35mmの長ナットを取付ます。

辞書等の厚手の本をスピーカー受けに使用します。長ナットに自重受け座を取付け高さを調整します。

 

スピーカーの位置決め後に各部品を締め付けます。中位置セッティングの終了イメージ


3.高位置セッティング

スピーカーを約100mm程度持ち上げるセッティングです。
スピーカー高さのセット方法を紹介いたします。各部品の調整方法等は、低位置セッティングと同じなので省略します。

1)部品の仮取付け

100mmのロングボルトと自重受け座を圧ナットで接合しています。
ロングボルトの支柱取付部は上下ともナットでロックするようにしてください。

 

厚手の本を数冊使って高さを調整しています。 高位置セッティングの終了イメージ
本方法と同様なやり方で、100mmロングスパイクを使ったセッティングを行うことができます。

      Side−Press Artistのプロセッティング例