Side-Press Mestro (マエストロ) スピーカースタンド 取り扱い説明書 (Ver.1.2)
この度はSide-Press
Maestroスピーカースタンドをお求めいただき、ありがとうございました。
本説明書はMaestro スタンドの組立て方法と、取り扱いの方法について記述したものです。
取り付け方法には、いろいろな応用が考えられますが、基本的な方法についてご説明いたします。
※本マニュアルの記載内容、写真等の著作権はすべてFAPSにあります。無断で流用、転載することを固く禁じます。
Side-Press Maestroのご使用に際してのご注意事項
●転倒に関すること
本スタンドはスピーカーの脱落及び転倒しにくい構造としていますが、脱落・転倒防止を保証するものではありません。
地震等の災害発生時は、安全な場所に倒して置く等の処置を講じてください。
●側面圧迫保持座は密着性のある硬質ゴム製です。
・高温、多湿の環境で使用した場合、スピーカー塗装面に密着し塗装が剥離する可能性があります。
・新品の表面塗装仕様のスピーカーで使用する場合は、時々押し座を外して密着を防いでください。
・光沢塗装が施されたスピーカーに使用すると接触部分の光沢が変わる可能性があります。
・へアイライン加工等の表面凹凸処理が施されたスピーカーに使用すると溝部分にゴムが付着する可能性があります。
(※ 台所用のサランラップを押し座接触面に使うと防止できます)
・スピーカーを直射日光が当たる場所にセットした場合、スピーカーボックスの塗装が紫外線焼けを起こして退色することがあります。
この場合、側面圧迫部分は当初の塗装色が残っているため丸い痕跡が見えることがあります。
直射日光下でのご使用はお避けください。
●スパイク使用上の注意
・付属するスパイクは先端が非常に鋭く作られています。手足、指等に刺さらないように十分に注意してお使いください。
・床面及びスピーカー底面には、鋭角スパイクが刺さり、傷が付きます。必要に応じ木製ボード、黒檀ブロック等をご使用ください。
注意! 床面スパイクの受けとして石材や硬質金属インシュレーターのご使用は、音質的に好ましくありませんのでお避けください。
●発錆について
本スタンドはスチール製です。湿気の多い場所でのご使用は、錆発生の原因となりますのでご留意ください。
長期の使用で溶接部近傍は、錆が出た場合は、自動車用のタッチアップペン等で補修してください。
●サイドプレススピーカースタンド、使用上の注意事項(定期点検)について
本スタンドはボルトとナットの締めつけにより、スピーカー及び各部品取り付ける構造となっております。
このため、使用時のスピーカー振動に伴いネジ部の緩みが発生いたします。
異常がない場合であっても、定期的にスピーカーの取付状態等を確認するようお願いいたします。
(1)使用中の点検頻度について
・本スタンドはボルトとナットにより締めつける構造となっているため、使用に伴いネジ部の緩みが発生いたします。
・外観的に異常がない場合であっても、1ケ月に一度以上の頻度でスピーカーの取付状態を確認するようお願いいたします。
(2)使用中の点検方法
スピーカーを前後左右に揺すって頂き、スピーカーが動かず、押し座がきちんと接触していれば問題ありません。
スピーカーがずれ、押し座面にガタがある場合は、押し座を少し強めに押しつけ直すようにお願いいたします。
(3)スピーカーのずれ落ちの要因
以下のような要因が絡んでスピーカーのずれ落ちが発生する可能性があります。
・スピーカーが左右に傾いて取り付けられたため、使用中のスピーカーの振動によりスピーカーが動き、
結果的に押しつけ力が弱まった。
・セッティング時の側面押し座の押しつけ力が弱かった。
・押し座部分の馴染み、ゴム収縮等により長さが短くなって押しつけ力が低下した。
・室内暖房によりスタンドが温まってスタンド本体の熱膨張が起き、側面押しつけ力が低下した。
・その他
(4)自重受け座位置について
・自重受け座位置は、スピーカーの重心より手前(スピーカー前面寄り)に設置してください。
万が一スピーカーがずれた場合でもスピーカーはスタンドに尻もちをつくような状態となり落下を防げることがあります。
重心位置より後ろに自重受けがある場合は、スピーカーは前方に落下し、破損する可能性が大きくなりますのでご注意ください。
(5)保証について
・スピーカーがスタンドから落下した場合のスピーカー、機材、床面の破損、怪我等は保証の対象外となっております。
・ネジ部の緩み等については十分にご注意くださるようお願い申し上げます。
1.Side-Pressの仕組みとセッティングについて
Side-Pressスタンドはスピーカーの重さをスピーカー下部の自重受け座で受け止め、
スピーカーの前後左右の倒れを左右の押し座で防止・調整する仕組みになっています。
側面の押し座は、あくまでも前後左右の倒れ防止用ですので、必要以上に強く締め付ける必要はありません」。
締めつけ過ぎにより支柱ネジを破損させてしまう事例がありますのでご注意ください。
(締めつけ過ぎによる支柱ネジの破損、押し座の破損は保証対象外です。)
(ご参考)
適正な押し付け力を確保する為に、支柱の反りを押しつけ力として使っています。支柱上部は若干内側に傾いております。
これはスピーカー取り付け後にスタンド支柱が外側に反り返るのを防ぐ目的であり、設計上意図的に行っております。
2.同梱部品の確認
最初にスタンドに同梱されている付属品の確認をお願いします。
(1)Maestro (プロタイプ)
1)ベース用70mm鋭角スパイク:8ケ ナット: 8ケ
2)ご指定された長さのプロタイプ側面押し座:4本 ナット:8ケ
3)100mmロングスパイク 2本 ナット2ケ カーボン円板2枚
4)スピーカーセッティング補助ボルト フェルト付き長ナット フェルト片 各2
5)13mmレンチ 6角棒レンチ 各1 予備ナット 2ケ
6)取扱い説明書兼保証書 1
(2)Maestro ST (スタンダードタイプ)
1)ベース用70mm鋭角スパイク:8ケ ナット: 8ケ
2)ご指定された長さの標準型側面押し座:4本 ナット:8ケ
3)自在型(球形)自重受け座:2ケ ナット2ケ
4)スピーカーセッティング補助ボルト フェルト付き長ナット フェルト片 各2
5)13mmレンチ 6角棒レンチ 各1 予備ナット 2ケ
6)取扱い説明書兼保証書 1
本スタンドのネジは、すべてM8です。市販のボルトをお使いになる時はM8をご利用ください。
使用するスパナのサイズは、13mmです。
3.スタンドの組立て・設置
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スタンドの組立ては、以下の手順で行います。 (1)スパイクの取り付けとスタンドの水平調整 (2)スピーカー用部品の取り付け (3)スタンドへのスピーカー取り付け (4)スピーカー取り付け位置・角度の微調整 (5)スタンド位置等のルームセッティング |
3.1 スパイクの取り付け
注意! スパイクは、非常に鋭利です。セッティング時に誤って足指等に刺さないように十分にご注意ください。
Maestroは、スタンド1台に4ケのベーススパイクを使います。
スパイクは非常に鋭いため床に深い刺し傷等が付きます。必要に応じてスパイク受け等を使用してください。
本説明書では、スパイク受けとして弊社の黒檀キューベースを使用しています。
家屋の床は一見平らに見えても実際には相当の凸凹があります。
床の凸凹に合わせてスパイクを均等に接地させること、これが重要なポイントとなります。
必ず実際に設置する場所にスタンドを立ててから、下記の手順に従ってスパイク長さの調整等を行ってください。
可能であれば、スパイクを設置した場所に何らかのマークを付けておくことをお勧めします。
※ スタンドを移動した場合も必ずスパイクが4点均等に接地していることを確認するようにしてください。
1カ所が浮いている状態では再生音の帯域バランスが変わってしまいますので注意してください。
3.2 スパイクの取り付けと調整方法
!スパイクは正しく取り付けてください。良い音を出すための重要ポイントとなります。
(1)スタンドを寝せた状態でスタンド前側にスパイク2本、後ろ側にスパイク2本を取りつけから設置場所に立てます。
床面に直刺しできない場合は、黒檀キューベース等のスパイク受け(インシュレーター)を使って設置します。
※スパイクは必ず、スタンドベースの上側に5mm以上飛び出すようにねじ込んでください。
※ネジが硬くて指で回しにくい場合は、付属の6角レンチを使って事前にスパイク等を通してみてください。
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スパイク取り付け | スパイクの取り付け方法 | ロックナット締めつけ方法 |
(2)市販の水準器等をベース支柱の上に乗せ、スタンドベースの左右・前後方向が水平になるようにスパイク長さを調整します。
3ヶ所のスパイクを固定して床に押しつけ、残りの一本の床への接触状態を調整するようにすると調整が楽です。
スパイク先端が床面に接触すると回す際の抵抗力が大きくなります。そこで止めて4本の長さを調整します。
※床面に凸凹がある場合は、スパイクの飛び出し長さが不揃いになることもあります。
(3)スタンドを軽く揺すり、スパイク4ヶ所が床に均等に当たっていること、スタンドが水平になっていることを確認します。
4本のスパイクの先端が床に接触した状態になっていたら調整終了です。力を入れてスパイクを突き刺す必要はありません。
最後に付属の6角レンチを使ってロックナットを回しスパイクを固定します。
※ロックナットの取り付け場所は、必ずベースの上側にしてください。下側に使うと音質が劣化します。
ロックナットを使用しないとスパイクがガタつき、異音発生の原因となります。必ずロックナットをご使用ください。
3.3 スパイク長さ調整によるスピーカー再生音のチューニングについて
Maestroスタンドは、スピーカ-スタンドとしては驚くべき機能を持っています。
ベーススパイクの飛び出し長を調整することにより、低域から高域までのバランスを調整することが可能です。
標準添付のスパイク70(実長、約68mm)の最大飛び出し長は約43mmですが、飛び出し長が短いと中低音が豊かになり、
逆に長くするにつれて高域が出るようになります。
オプション品として、長さ40mm、70mm、100mmのロングスパイクを販売しております。
4.スピーカーの取り付け
スピーカー保持用の部品を取り付ける前に、上の写真のようにスタンドにスピーカーを直接置いて、
スタンドとスピーカーの位置関係、スピーカー側面と支柱の距離等を計っておきます。
下から見てスピーカーセッティング補助ボルトを取り付けるネジ穴位置も確認してください。
スピーカーの幅も計っておきます。
スピーカーセッティング補助ボルト位置の確認 スピーカー幅の測定
注意! スピーカーをスタンドに乗せる時に、スタンドの角でスピーカーの底面等を傷つける恐れがあります。
必要に応じタオル等を使い、スピーカーを静かに乗せてください。
作業中は、スピーカーを落とさないように十分に注意してください。
※ 作業中のスピーカー落下に伴う人身・機材の損害に対しては、弊社は一切の責務を負いません。
4.1 スピーカー自重受けの種類について
自重受けは、設置方法とお好みの音質に合わせ、各種オプション販売部品をご用意しております。
それぞれ音質が異なりますので、チューニング時の参考にしてください。
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●標準添付品ロングスパイク (Maestroプロに標準付属) 長さ100mmの鋭角スパイクです。 スピーカーを高くセットするリフトアップセッティングが可能であり、空間表現能力の大幅な向上を図ることができます。 ※ロングスパイクのロックナットは、支柱下側に使用します。 |
●樹脂皿式自在受け座 (MaestroSTに標準付属) 座面が樹脂製で自由に傾くのでスピーカーに傷を付けず 傾きを持たせて設置することができます。 音質は樹脂座面の影響で、ややマイルドな音質となります。 |
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●球形受け座(オプション品) スピーカーの振動を直接スタンドに伝えるのため、 音質に癖がなく、スピーカー底面に深い傷が付きません。 |
4.2 スピーカー自重受けの取り付け
自重受けは、適正な取り付け位置を選ぶことが大切です。スピーカーの重心に近い取り付け穴を使用してください。
自重受けの取り付け場所は、スピーカー重心の直下に自重受けが来るようにセットするのが適正です。
スピーカーの重心位置は、その形状、構造によって変化しますが、一般的には、スピーカー奥行きの半分の位置から多少手前側に来る位置になります。
磁気回路が強力なスピーカーは、重心位置が相当に前進している場合があります。
●簡単なスピーカー重心位置の確認方法
スピーカーを床面に直接置きます。床とスピーカーの間に丸箸やサインペンのように断面が円形のものをはさみます。
スピーカーを手で押さえながらゆっくり前後に動かします。スピーカーが前後に傾きにくい位置が重心位置です。テープ等でマークしてください。
スタンドにスピーカーを乗せ、上記方法で探した重心点に最も近い自重受けボルト穴を確認しておきます。
直近にない場合は、スピーカーのフロントバッフルに近い方の取り付け穴を選んでください。
マエストロは後ろから2番目の取り付け穴がスタンドの重心位置に近くなっています。
この位置にスピーカーの重心が来るようにセットした時にスタンド全体の安定性が最も大きくなります。
自重受けを軽く取り付けます。ロックナットは緩めたままにしておいてください。
5.側面押し座の取り付け
5.1 側面押し座取り付け穴の選択
Maestroの左右支柱には上下方向に6ケの取り付け穴が設けられています。
上の3つは、M8ボルト用のネジ溝が切られ標準押し座用になっています。下の3つは、
ネジ溝のない直径8.5mmの貫通穴であり、Proタイプ押し座用になっています。
押し座の取り付け高さは、ウーハーユニットの中央付近が基本ですが、
スピーカーによっては、重心位置が高い場合があります。
その場合は、上の方の穴をご利用ください。
側面押し座は、取り付ける高さを変えることによって音質も変化します。
押し座の種類と取り付け高さの組み合わせにより、お好みのチューニングを行うことができます。
・スピーカーの上の方を押さえるとスピーカーの安定性が増します。
・スピーカー側面後方下部の角付近を押さえた場合は、スピーカーボックスの鳴りを抑えないため、
スピーカーが開放的に鳴り響く傾向があります。
ただし、下の方の取り付け穴を使用した場合は、スピーカーが後方に倒れやすくなります。
下側3か所は、押し座部分が回転しにくいProタイプ押し座を使用してください。
下側に標準押し座を使った場合は、スピーカーが回転・脱落してしまう恐れがあることをご承知おきください。
上記いずれの場合も、スピーカーが物理的に安定して保持されていることを確認してからお使いください。
最初は側面押し座、自重受け座のロックナットを全部緩めた状態からセッティングを開始します。
5.2 側面押し座の選択方法
側面押し座は、下表を参考にスピーカーの幅に合わせて使用するタイプ(別売)を選びます。
標準タイプの側面押し座とProタイプの側面押し座は、取り付け方法が異なりますのでご注意ください。
押し座種類 |
適合するスピーカー幅(mm) |
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Pro押し座 |
Type 110 | 135 〜 278 |
Type 85 | 160 〜 278 | |
Type 55 | 220 〜 278 | |
Type 35 | 254 〜 278 | |
標準押し座 (樹脂ワッシャー組み込みタイプ) |
Type 100 | 130 〜 272 |
Type 60 | 210 〜 272 | |
Type 35 | 260 〜 272 |
※スピーカーの幅が大きくなるにつれて押し座ボルトが支柱外側に飛び出します。
●標準タイプ 側面押し座![]() |
軸と座の間に樹脂ワッシャーが組み込まれています。 押し座部分と軸部分が回転するタイプです。 スタンド支柱のネジ穴を使ってセットします。 押し座根元のナット部を回すことにより、簡単に押しつけ力を 調整することができ、スピーカーを任意の角度にセット出来ます。 調整後に支柱内外のナットをロックします。 ※断面が水滴型や台形のスピーカーに使える場合があります。 |
●Proタイプ 側面押し座 ![]() |
押し座と軸が固定されているタイプです。 スタンド支柱の貫通穴を使ってセットします。 スピーカーの振動を確実にスタンドに伝達できる高音質押し座です。 押し座(スピーカー)が回転しないため、スピーカーが傾かず、 側面下部を保持するリフトアップセッティングに対応できます。 支柱内側のナットを締めることにより、押し座を押しつけます。 ※側面が平行なスピーカー専用の押し座になります。 |
5.3 中・大型重量級スピーカーのセット方法 (小型スピーカーは第6章を参照ください)
側面押し座は、左右支柱の下部3か所の貫通穴または上部3ヶ所のネジ溝を使用して取り付けます。
プロタイプ押し座の場合は、下側3ヶ所の穴を使ってください。
下の写真のように支柱両側にロックナットを取り付け、緩めた状態でセッティングを開始します。
注意!
●左右支柱は薄肉の中空パイプになっており、上部3か所の穴にはネジ溝を切ってあります。
強い力でネジを締め過ぎるとネジ溝を破損する可能性があります。
本スタンドのセッティングでは、スパナを握って力を入れて締める場所は一切ありません。
・付属のスピーカーセッティング補助ボルトにフェルト付き長ナットを取付ます。
自重受けスパイクの先端には付属のアルミ円板を軽く刺して仮取付を行います。
(円板を強目に押すとスパイクが刺さります)
・自重受けスパイクの飛び出し高さとスピーカーセッティング補助ボルトの高さが等しくなるようにします。
100mmロングスパイクの場合は、スパイクの飛び出し長さが70mmになるようにするのが適切です。
左右の側面押し座の距離がスピーカー幅+3mm程度になるように調整します。
左右の押し座軸の飛び出し長がほぼ同じになるようにしてください。
・下の写真のようにスピーカーを静かに乗せます。
左右の側面押し座がスピーカーからわずかに接触している状態に長さを調整します。
フェルト面はスピーカーが滑りやすいので側面押し座の締付けが終わるまでは、
スピーカーを落とさないように気をつけて慎重に作業してください。
5.5 側面押し座の締め付け
スピーカーは、自重受け座により下には落ちません。
左右の押し座は、スピーカーの前後左右の倒れを防止する役割を持ちます。
左右の押し座でスピーカーを吊る訳ではありませんので、強く押す必要はありません。
最初にスピーカーがスタンドの中心にあり、左右に傾いていないことを確認します。
側面押し座のロックナットがゆるんでいることを確認します。
スピーカー側面とスタンド支柱の間隔が左右均等になっていることを確認します。
押し座根元のナットを指先またはレンチで回して、左右の押し座を交互に押しこんでください。
スピ−カーがガタ付かなくなり、スタンドと押し座が密着固定されるまで少しずつ締めてください。
最後にレンチを使って”軽く”締めつけてください。
指で締めつけて左右の押し座がスピーカーに密着している状態から、スパナで180度程度締めつけます。
標準押し座を使った場合は、白色の樹脂リングがめくれ上がって変形するほど締めるのは、締め付けすぎです。
最適状態は、スピーカーを強めに押した時に少しずれる程度です。
力を入れて回すと支柱が外側に広がり過ぎてしまいます。
左右のスピーカー側面と支柱の距離が等しくなっていることを再確認します。
5.6 側面押し座のロック
スピーカーを前後左右に揺すり、ガタが無く、押し座面とスピーカー側面が平行になり、全面が密着していることを確認します。
最後に支柱両側のナットをレンチで軽く締め付けて押し座をロックします。
スピーカーが左右に固定され平行に取り付けられていることを確認します。
確認が終わったら、側面押し座のすべてのロックナットを軽く締め付けます。
5.7 スピーカーの傾き調整(水平出し)
側面押し座の取り付けが終わった状態でスピーカーの水平度を調整します。
写真のような水準器や水準器付きレーザーポインターを使うと確認が楽です。
スピーカー上面を水平にするのが基本ですが、標準押し座は取り付け後であっても押し座面を回転させられるため、
好みに合わせ仰角を与えることもできます。傾き調整は、自重受けの高さを変えることにより行います。
スピーカーを落とさないように、下部自重受け座のネジを回します。
スピーカーが水平になるように調整します。
レーザーポインターを使う場合は、試聴位置付近のレーザーポイントの高さが左右同じになるようにします。
スタンド位置のセッティング方法の詳細は、6.2章をご覧になってください。
高さ、傾きの調整が終わった後に、自重受け座の下側に取り付けたロックナットを軽く締め付けます。
最後にスピーカーセッティング補助ボルトを取り外します。
以上でスピーカーの取り付けは終わりです。
5.8 自在受け座による自重受けの方法
スパイクの代わりに自在型の自重受け座を使うこともできます。
取り付け方法は、基本的にスパイクと同じですが設置高さが低いので長ナットは使わず、補助ボルトだけでセットします。
下記の写真を参考になさってください。
![]() ![]() 付属のフェルト片を先端に貼りつけ |
![]() |
セッティング補助ボルトとフェルト保護材の取り付け 自在受けと同じ高さにセッティング補助ボルトをセットします。 |
スピーカーを仮置きした状態 |
6.小型スピーカーの取り付け方法( プロタイプ側面押し座)
プロタイプ側面押し座は、下側3ヶ所のネジ溝のない取り付け穴を使います。
※上のネジ溝付き穴を使うと押し座の回転と一緒にスピーカーが動いてしまうので、取り付けが非常に面倒になります。
下の写真のように支柱両側に取り付けますが、最初は内外のロックナットを緩めた状態でセッティングを開始します。
注意!
●左右支柱は薄肉の中空パイプになっており、上部3か所の穴にはネジ溝を切ってあります。
強い力でネジを締め過ぎるとネジ溝を破損する可能性があります。
本スタンドのセッティングでは、スパナを握って力を入れて締める場所は一切ありません。
セッティング手順の概略説明図
6.1 小型スピーカーのセット方法詳細
補助ツール
・付属のスピーカーセッティング補助ボルトにフェルト付き長ナットを取付ます。
・自重受けスパイクは先端が補助ボルトより低くなるように仮り取り付けしておきます。
100mmロングスパイクの場合は、スパイクの飛び出し長さが70mmになるようにするのが適切です。
左右の側面押し座の距離がスピーカー幅+3mm程度になるように調整します。
左右の押し座軸の飛び出し長がほぼ同じになるようにしてください。
・下の写真のようにスピーカーを静かに乗せます。
スピーカーは、前後の補助ツールにより下には落ちません。
左右の押し座は、スピーカーの前後左右の倒れを防止しますので、落ち着いて作業してください。
フェルト面はスピーカーが滑りやすいので側面押し座の締付けが終わるまでは、
スピーカーを落とさないように気をつけて慎重に作業してください。
左右の側面押し座がスピーカーからわずかに接触している状態になるように、内側ナットを指先で回して調整します。
最初は押し座が下側に傾いていますので、スピーカーを左右に揺すりながら、押し座面とスピーカーが密着するようにしてください。
6.2 側面押し座の締め付け
最初にスピーカーがスタンドの中心にあり、左右に傾いていないことを確認します。
側面押し座の外側のロックナットがゆるんでいることを確認します。
スピーカー側面とスタンド支柱の間隔が左右均等になっていることを確認します。
押し座根元のナットを指先またはレンチで回して、左右の押し座を交互に押しこんでください。
<重要>
スピーカーを左右に揺すりながら、スピーカー側面と押し座のゴム面が密着するようにしてください。
押し座面が傾いていると、使用中にスピーカーが落下する原因になります。
スピ−カーがガタ付かなくなり、スタンドと押し座が密着固定されるまで内側ナットを少しずつ締めてください。
左右の間隔が等しくなっていることを確認してください。
指で締めつけて左右の押し座がスピーカーに密着し、ほぼ固定されている状態から、内側ナットを更に1回転ほどスパナを使って余計に締めつけます。
回し過ぎると支柱が外側に広がり過ぎてしまいますのでご注意ください。
左右のスピーカー側面と支柱の距離が等しくなっていることを再確認します。
6.3 側面押し座のロック
スピーカーを前後左右に揺すり、ガタが無く、押し座面とスピーカー側面が平行になり、全面が密着していることを確認します。
最後に支柱外側のナットをレンチで軽く締め付けて押し座をロックします。
スピーカーが左右に固定され平行に取り付けられていることを確認します。
確認が終わったら、側面押し座のすべてのロックナットを締め付けます。
6.4 スピーカーの傾き調整(水平出し)
スパイクを回して上に伸ばしカーボン円板(またはアルミ円板)を介してスピーカー底面に接触させます。
カーボン円板の場合は、中央の凹み部分にスパイクを当ててください。
補助ツールを少し下げます。
スピーカの安定性を確認してから、補助ツールを取り外します。
補助ツールを外し、スピーカーが安定保持されていることを確認します。
次にスピーカーの前後方向の水平度を調整します。
写真のような水準器や水準器付きレーザーポインターを使うと確認が楽です。
スピーカー上面を水平にするのが基本ですが、好みに合わせ仰角を与えることもできます。
傾き調整は、自重受けスパイクの高さを変えることにより行います。
スピーカーを落とさないように、下部自重受け座のネジを回します。
スピーカーが水平になるように調整します。
レーザーポインターを使う場合は、試聴位置付近のレーザーポイントの高さが左右同じになるようにします。
高さ、傾きの調整が終わった後に、自重受け座の下側に取り付けたロックナットを締め付けます。
以上でスピーカーの取り付けは終わりです。
7.スタンド設置位置の調整
スピーカーを正しく取り付けても、スタンド設置位置が正確でないと良い結果は得られません。
セッティングは、お使いになられているスピーカー、部屋の大きさと構造、リスニングポジションおよび
お使いになられている機材の特徴等が関係してきますので、一概にこれがベストとは言えない難しさがあります。
ここでは、Side-Pressをより良くお使い頂く為に、優れた音場表現が得られやすいセッティング方法と
チューニング方法をご紹介いたします。
7.1 スタンドの設置位置について
・可能な限り後方のスペースを広く取ってください。
後方スペースが広いほど、ステージ感が広く深くなります。
・左右の空間も広めに(50cm以上。最低でも30cm)とるようにしてください。
左右スピーカ間には何も置かないのがベストです。テレビ等を置く場合は、画面が必ずスピーカーの後方になるようにしてください。
サイドプレスはスピーカーとスタンドが一体化していますので、スタンドにスピーカーを取り付けたまま移動できます。
音楽鑑賞をする時だけスピーカーを前に出すことも有効です。
7.2 リスナーとスピーカーの位置関係
必ずリスナーを頂点とした二等辺三角形とします。
小型スピーカーの場合のB寸法は1.4〜2.5m程度がお勧めです。
リスナーの胸の前30cm程度の場所をターゲットポイントとして、マークすることをお勧めいたします。
下図のA寸法は左右の誤差が数mm以内になるよう正確に測定することが大切です。
正三角形にするのが基本ですが、無理に拘る必要はありません。
部屋の空間に余裕がなく、スピーカーが両側の壁に接近してしまう場合は、A>Bとした方が自然な空間表現となります。
出来る限りスピーカーの前後左右の空間を大きくとることが大切であり、特にスピーカー後方の空間を大きくとることが効果的です。
空間を広げようとしてB寸法だけを拡大するのは、音場の中間が薄くなってしまい逆効果になりますのでご注意ください。
左右のスピーカーと左右の壁面が近い場合には、逆にスピーカー間隔を狭くした方が音場が広がることも有ります。
設置方法はスピーカーを内振りにし、スピーカーの中心線がリスナーの数十cm前で交差するのが基本となりますが、
必要に応じて内振り度合いを減らし、焦点を頭部後方に移動した方が良い場合もあります。
実際に再生してツイターの音が強く感じる場合は、スピーカーを多少上向きにすると良いでしょう。
スタンドの位置が決まったら、スパイクの設置状態を再度確認し、各部のナットが緩んでないことを確認してください。
7.3 ご参考 FAPS試聴室で実際に行っている方法・機材の紹介
スピーカーの外側側面に市販のレーザーポインターを押しあて、レーザーのスポット(=左右スピーカー側面の延長線)が
試聴ポイント付近で交わるようにします。
●参考までにFAPS試聴室で実際に行っている方法・機材を紹介いたします。
スピーカーの外側側面に水準器付きレーザーポインターを押しあて、レーザー投影される十字線を使って調整を行います。
・スピーカーから投影される十字線の水平線(横線)が左右同じ高さになるようにしてスピーカーの水平を調整します。
・スピーカーから投影される十字線の水鉛直線(縦線)がリスナーの頭の少し後ろ付近で重なるようにします。
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水準器付きレーザーポインターの投影線のイメージ。 十字型投影線の場合は水平・鉛直方向を同時に見ることができます。 |
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左右スピーカーの水平角度の調整方法 |
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スピーカーの内振り角度の調整方法 内側の側面にレーザーポインターを押し当て、上下に振らせて使用します。右のターゲットの左右中心にレーザースポットが来るように内振り角度を調整します。 上下に振らした時にスポットが鉛直方向に移動すれば スピーカが左右に傾いていないことになります。 |
レーザーポインターは、市販の事務用のものも使えます。
外径が円筒形でポインターの軸とレザー軸が同一軸状にあるものを選んでください。
本体を平面上で回転させた時にレーザスポットが同じ高さで平行移動するものであれば使えます。
実際に再生してツイターの音が強く感じる場合は、スピーカーを多少上向きにすると良いでしょう。
位置が決まったらスパイクの設置状態を再度確認し、各部のナットが緩んでないことを確認してください。
7.4 スタンドの設置面について
・木製の床にスパイクを直刺しして使うのがベストです。
・直刺しが出来ない場合は、MDF等の硬質木質系のボードかインシュレーターを使用してください。
・金属系、石材系、ガラス系のインシュレーターやボードとの相性は、ハイ上がりの音調になり良くありません。
床面にスパイクで傷を付けたくない場合は、当社の黒檀製スパイク受け、またはカーボン円板スパイク受けが利用できます。
別売 FAPS黒檀キューベース
実用性重視の、安価で黒檀の素直な音調を生かした自社製スパイクベースです。
約30mm角のアフリカ縞黒檀製のサイコロに、すり鉢状のスパイク受けホールを設けてあります。
スパイク外れと安定性不足の問題が少なく、安心してご使用いただけます。
7.5 床面が柔らかく直刺しができない場合の設置方法
床面がカーペットなど、柔らかい場合、小さなインシュレーターの使用は好ましくありません。
小径のインシュレーターでは安定せず、更にインシュレーターの音が乗ってしまうので、音が混濁し、更にトーンバランスが悪化致します。
この場合は、木質系のオーディオボードをご使用頂くことになります。
高価なボードではなくても問題ありませんのでご安心ください。
ホームセンターなどで販売されているMDFで十分です。推奨サイズ
: 3cm厚以上で、45cm角程度
ボード面には、スパイクを直接刺してご使用ください。
※御影石・大理石等の石材系ボードとの相性は、非常に良くないため、お勧めしておりません。
7.6 スピーカーケーブルの固定について
Side-Press Maestroの支柱は、音楽演奏中に相当に振動します。
スピーカーケーブルを支柱に固定してしまうと、支柱振動がケーブルに伝わってしまい、音が混濁するなど悪影響が出ます。
スピーカーケーブルは、絶対にスタンドに接触しないようにしてご使用ください。
8.最後に
Side-Press Maestroの生み出すフラットな音質・豊かな音場表現を心行くまでご堪能ください。
あとは、あなたの耳とセッティングの腕前次第です。
実際に音を出し、ご自分の好みに合わせてセッティングを追い込み、最良の音を探求してください。
この様に取り付けたら、こんな音になった・・・等々、お客様の使いこなし方法を、メール等で是非ご紹介ください。
御了解が得られれば、ホームページに掲載させて頂きたいと思います
Side-Pressスタンドが、あなたの音楽生活を豊かにすることを心より願っております。
ファミリーアーツピュアサウンド 志賀
●製品に関する問合せ先 |
Side-Press Maestro 出荷確認印
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●製品保証について 保証期間 : 納入後1年間
納入年月 :
・通常の使用において支柱の折れ、溶接部の破損が発生した場合は、無償修理または交換いたします。
・スパイク及び押し座によるスピーカー・床面の傷及び塗装等の損傷は、保証対象外とさせていただきます。
・スタンド本体の発錆、支柱ネジ溝の破損は、保証対象外といたします。
・設置作業中・地震・事故等による転倒、スピーカー脱落等により発生した人身・機材等への各種損害は、対象外とさせていただきます。
・出荷確認印のないものは、保証の対象外となります。