ファミリーアーツ ピュアサウンド

 FAPS   Side-Press スピーカースタンド お客様レポート

 都内にお住まいのA様 ( Side-Press Miniと標準型Side-Press対決レポート )

使用スピーカー 
: PMC社 DB1i & SONICS社ANIMA

今回のレポートは、都内にお住まいのA様から頂いたものです。

A様からは、既にSide-Press Miniスタンドにパイオニア社の人気モデル、ピュアモルトS-A4SPT-VPを
乗せた詳細なレポートを頂戴しております。

A様のSide-Press Miniスタンドレポート (パイオニア ピュアモルト S-A4SPT-VP )

このレポートは、その続編というか拡大編に相当するレポートとなっております。

A様、Side-Press Miniを導入された効果に非常に満足され、
更なる向上を目指して、本格的スピーカーの導入を図られました。

ご友人、WEBオーディオ仲間そして私にもお勧めのスピーカーは何か!? と
問い合わせを行われました。その結果は、以下の通りです。

ハイランドオーディオ ORAN4301
ELAC BS243
Micropure Cz302
47LABO MODEL4722W LENS
AMM LABO AM-105i
PMC DB1i

私が推薦したのは、私の愛用しているAudio Physic社のスピーカー「ブリロン」を世に出した著名な設計者、
ヨアヒム氏が新たに興したブランドSONICS社の小型スピーカー、Animaでした。

ここで得られた情報を元に、A様は、実際にスピーカー試聴巡礼の旅に出られたのです。

この辺の経緯は、価格.COMというオーディオ機材評価サイトに非常に詳細に報告されています。
実は・・・ここにも報告・相談しています!とA様からご報告をいただき、その存在を知った私です。

スレタイトル : 「A-1VLで使用する解像度の良いスピーカーを探しています」

私が実名で登場してたり、言っていたことが書いてあったり!? 正直、驚きました。

いやはやコワイ世界があるなあ!  いや、面白い世界かな と。
皆さん、真剣に考え、ご自分の経験に基づくノウハウを提供されており、
正直言って、そのへんの雑誌より役に立つかもと思わされました。
こういうところの情報もその対象品の傾向を把握する際の参考にされても良いのかと思いました。
さすがに1業者の私がそこに書き込むのも変なので、傍観というより、真面目に閲覧させていただくことにしました。

多くの方のご意見は、確かに参考になります。
しかし聞いている音楽も、使っている機材も、聞く環境も、聞き方も、好みの音もまったく違います。

一応はっきりと書いておきますが、私の意見は

自分の好みの音は、自分で見極め、自分の部屋、自分の耳で確かめるのが最良で唯一ということです。

これは非常に当たり前のこと、そんなこと言われなくても知ってるわい! とお叱りをいただきそうですが
実際にやるのは、時間もお金もかかりますので、非常に大変なことなのです。
当社が貸出し試聴を行っているのは、上記が大きな理由です。

ということで、私は、A様に私が推薦したスピーカーをSide-Pressスタンドで試聴できる場所もご連絡いたしました。

東京、西麻布にある U−AUDIO というお店です。
ここのT様は、実は熱心なSide-Pressスタンドユーザーさんであり、Side-Pressのファンのお一人でした。
是非Side-Pressスタンドを展示・販売したいとのお話があり、喜んで受けさせていただいた経緯がございます。

相当にはしょって書きましたが、前置きが長くなりすぎましたね。

A様は、Side-Press Miniで使えるスピーカーを求めて、東京〜関西と試聴の旅に出られました。
その結果は・・・何と!!
PMC社のDB1i と SONICS社のANIMA という優れたスピーカーを同時に2セット導入されてしまったのです。

A様からは、次のステップとして2台目のSide-PressMiniのご注文が入りました。
しかし・・・・私は、ご注文を受けませんでした(笑)

絶対に標準型のSide-Pressにしてください。
スピーカーが可哀想です!! 
嘘は言いません! 後悔はさせません! 是非標準型を!
2台目ですから、リピーター様特価で少しお安くしますよ(笑)・・・と
 
A様からも「やっぱり・・・」とのご返事をいただき、
標準型のSide-Pressを納めさせていただきました。

非常に行動的なA様です。
スタンドが到着する前に部屋の模様替えを行って、万端の受け入れ準備で試聴を行われました。
勿論、私も、ああした方が良いですよ、それは問題ありですね、とアドバイスさせていただきました。


 【 A様のレポートです 】

標準型サイドプレススタンドとミニスタンド
乗せ換え比較の感想を簡単に報告させて頂きます

使用した機材は

AMP ONKYO A-1VL
CDP ONKYO C-1VL
SP PMC DB1i(以降PMC)
SP SONICS ANIMA(以降Anima)

以前PIONEER のピュアモルトVPでレポートした際に使用したのと同じです

10日程前からPMCとミニスタンドの組合せを聴いておりましたが
今般Animaが仲間入りしたこともあり、標準スタンドを導入した次第です

 セッティング全景
PMC Db1i

【 比較レポート PMC編 】

まず既に300時間程鳴らしているPMCを
使用中のミニスタンドから標準スタンドに乗せ変えてみました

第一の感想は

・スタンド音が減ることによる自然な音質
・前後左右及び上下に広大な音場
・極めて自然な空間表現

御社の謳い文句であるところの以上三点
これが偽りでないことを実感致しました

先に購入したミニスタンドで、そのことは充分判っていたつもりですが
標準型サイドプレスに乗せ変えた途端
その空間が数倍に膨れ上がるのをはっきりと感じます

ミニスタンドは構造的に短足ですから 置き場所を考えると
卓上など、一般家庭では近めの設置にせざるを得ませんね

従って自動的に音量を上げきれない
(床置きでは下から音が聴こえてしまいますものね、ステージモニターなら別ですが…)
その点 標準型サイドプレスは重量のある高級スタンドと比較しても軽量で移動が簡単
ブックシェルフを移動が簡単なフロアタイプとして使えるのですから
これは大きなメリットですね

しかし…
こういう条件でミニと標準型を比較するのは不公平ですから
写真にあるように、出来る限り標準スタンドと同じ配置になる様にしてみましたが…

比較セッティング(1)  標準Side-Press設置位置にテーブルを置き、Side-Press Miniをセット

比較セッティング(2) 擬似スタンドで比較 比較セッティング(2)詳細

…その差は歴然としたものでした
(決してミニスタンドが悪い音だと言っているのではありませんよ!)

卓面で遮られていた分、ミニスタンドを標準型に似せて 空間に近い状態に設置する事で
音量も稼げて、更なる空間の広がりを期待したのですが
これは設置した台の影響も大きいでしょうが
台の響きを差し引いても 音が広がってくれません

この配置変えでかなりの時間を費やしましたが…無理です
比較になりませんね、標準型の圧倒的な勝ちです
標準型の足長構造、あの下部の空間が利いている様ですね

しかしこの様に ある程度広めの空間で鳴らす場合
標準型の場合 音量を部屋一杯に響かせる様な鳴らし方
これならばで本領発揮ですが、

卓上モニター的にあまり音量を上げなければ
ミニスタンドと然程変わりません

どちらにしても、所謂スタンドの響きがありませんから
スタンドを意識しなくて良い 実に大きなメリットです

但し、設置場所については十二分に吟味して、テストを繰り返す必要があります

私もまだまだ煮詰めきれていないのと同時に、
SPが共にまだ新品に近いので何とも言えませんが
PMCの持つ恐ろしい解像度をそのまま聴かせてくれる
決して着色されない音は非常に心地よいものです

他の方のレポートでは低音が細くなった…と言う様なご意見もあるようですが
私の所ではそういうことは全く感じられませんでした

逆に、私の場合ミニスタンドでも 一般家庭ではかなりウルサイ音量を出していましたので
卓面に若干響いていたボンつきが消えて非常にスッキリした、これが本来の音なんだな 
ということをスタンドに教えられているようです

【 比較レポート SONICS編 】

さて、次にAnimaを標準型にセット

下部自重受け座部 詳細  その後、延長ナットを外し、標準状態に戻したそうです。
セッティング外観(1) セッティング外観(2)
セッティング外観(背面) セッティング外観(詳細)


二度の試聴で購入したSPなのですが、届いたばかりでかなり不安
所謂空間表現を最も意識したSPなのですが
いやいや…降参です

何度も配置を変えながら 完全に曲の構成を覚えている曲で繰返し鳴らしますと
本当に目の前に音空間が出現するのが判ります

何処かで「まるで目の前にホログラフが現れるかのよう…」という表現がありましたが
正にそのものズバリといったところでしょう

 

【 比較レポート 据え置き vs Side-Press編 】

ではサイドプレスが無かったらどうか?当然 その疑問が出てきます

SONICSのANIMAを
重量のある台にインシュ+御影石ベース+黒檀インシュの組合せで設置

さあ どう出るか?!

いやはや ここでも完全に降参です 
スタンドの足元にあった、特に地を這うような低域の空間が消え
大きな岩が置かれたような音です

これを一般のスタンドで調整克服しようとするならば
相当な金額と時間、そしてかなりの妥協が必要でしょう

僅か2時間ほどの配置変えで、いとも簡単にこれをやってのけるのですから
Side-Pressは、非常にコストパフォーマンスが高いと思います

総合して考えますに、このサイドプレス
SPと同時購入では 如何にこのスタンドが利いているのか判らないでしょう

勿論初めから最短距離でこれを使用すれば良いのですが

特にお気に入りのスピーカーを苦労して苦労してセッティングし
それでも納得出来ず アクセサリに大枚叩いて 今だ苦虫が消えないア・ナ・タ!
そんな方に絶対お勧めしたいですね

☆続編☆  Side-Press Miniを超える Side-Press Mini を求めて!

A様は、その後もSide-Pressミニスタンドの音質向上を追い求め、
遂に一つの答えを見出しました。

M8長尺ボルトを使ったスタンド脚の追加です。

以下は、今回の実験レポートとA様の感想です。

【ミニスタンドの問題点・改造の目的】

ミニスタンドはその構造上 設置面とSP底面との距離が狭く
底面の自重受けに延長ナットを使用しても10cm程度しかとれません
オーディオボード等とインシュレータ、或いは木製スタンドなどと比較すれば
圧倒的に高い空間表現の得られるミニスタンドですが、私も当初はこれで満足していました

しかし、標準型を聴いてしまうと その空間再現力の差は非常に大きいものがあります
何とかミニスタンドでもこの様な効果が得られないものかと実験をしてきました

先に述べました構造上の制約により発生する現象は
どうしても音が設置面に遮られ、SPの間と卓面の狭い範囲に滞留してしまうということです

折角サイドプレスによって散りばめられた音空間が、卓面に遮られることで
上下は歪められ、SP左右の間と卓面の中央付近で大きな塊りになり
同時に左右の空間まで広がりきらず不自然な響きになる感じです
一応お断りしておきますが

『これはニアフィールドで然程音量を上げなければ全く問題にはなりません』

しかし ある程度音量を上げて音楽をじっくり楽しもうとする場合には役不足の感は否めません 

【改造の流れ】

ここでは あくまで卓上で音量を上げる事が目的です
デスクに座ってニアフィールドで聴くには、私の場合スタンドを15cm持ち上げれば良いのです

何か良い素材はないものかと 様々試行錯誤した結果
スタンドと同じスチールの脚を付けて下部空間を稼いでやれば良いことが判って来ましたので
ホームセンターへ行ってスタンド付属のスパイクと同じM8径で15cmのロングボルトを購入しました

購入したロングボルト 簡易スパイクの構造


ボルト下部は 30mmのロングナットを繋手として使用することにし
両側からスパイクとボルトを15mmずつ等距離で捻じ込み
上下から通常のナットでガッチリ締め付け簡易スパイクにしました
上部はスタンド枠に捻じ込んで これも上下をナットで締め付けます(写真参照)



【音出しの結果】

写真の様に組上げて音を出したところ、一番最初に気が付くのは
卓面への振動が激減しているという事です
余計な振動が減った結果 得られる音は非常にクリアになります

特筆すべき点は
通常の脚無しと比較すると格段に広い空間が現れ
これが同じスピーカーiなのか???という程 音が激変しました

低域は 自由になった空間に向けて思う存分鳴り響き
卓面への響きが減少しているにも関わらず、ベース音は図太く
そして全体に一本芯の通った音に変わりました
使用したスピーカーは


 

            ALR/JORDAN Entry SiPIONEER                  ピュアモルトVP この2機種です 

こんなに小さなスピーカーでも 小さいながら確実に奥行が見えてきます

もう一点は高域が素晴らしく良く伸びる様になった事です
脚を付けたことで、スピーカーの振動が下部に上手く逃げてくれて
スタンドの持つ振動の吸収・拡散 といった作用が高まったのではないでしょうか

ボルト一本何百円、非常に簡単に出来ることですので
ミニスタンドをデスクトップモニター的に使用されていて、卓面の響きが気になる方
また それによって音量を思うように上げられないでお困りの方には
是非ともお勧めしたい方法だと思います

価格COMに書かれた最初の感想も合わせて掲載させていただきます

大成功です!!!!!!
丁度良い高さにSPが配置されてスタジオに居るみたい

特筆すべき点は
通常の脚無しと比較すると格格格段段段に広い空間が現れ
これがあのEntrySiなの???という程 音が激変しました
低域は 自由になった空間に向けて思う存分鳴り響き
卓面への響きが減少しているにも関わらず、図太いベースに変わりました
そして こんなに安価なSPでも 確実に奥行が見えてきます

もう一点は高域が素晴らしく良く伸びる事です
このSP 購入当初より、全域癖が無く、特に高域は美しいなぁと思っていましたが
Animaとは言いませんが、10万台のSPと言っても判らないのでは?そんな感じです


FAPS感想

非常に沢山の写真と共に、詳細な比較レポート、本当にありがとうございました。

このままFAPSラボのページに追加してみたいほどです。
私自身の耳で一緒に聞きたかったな、というのが感想です。

こちらでの試作・開発時の比較試聴を思い出しながら読ませていただきましたが、
A様の感想は、非常に的を得た的確なレポートと思います。

本当にありがとうございました。

続編レポートには、大変驚かされ、感心いたしました。

写真を見せていただいて、結構な良い音になっているはずと直感しました。けど・・・

うーん・・・ 何とかWARSに出てくるロボットのようだ! と私が言ってはいけないのでしょうね(笑)

Side-Press Miniを超える Side-Press Mini を求めて!

そんなタイトルのラボレポートがあっても良いかな・・と思ってしまいました。
今後のさらなる使いこなしレポートを楽しみにしております。

ありがとうございました。