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ある日、オーディオ関係のサイトをネットサーフィンしていると、見たことのないスピーカースタンドと遭遇しました。
それがFAPSとの出会いです。見るなり「これがスピーカースタンドの最終回答だ!」と、心中で叫んだものです。
しかし、オーディオ機器の故障による買い替えや車の修理代などで出費が嵩み、実際に入手したのはずっと後になってしまいましたが、その間にTallモデルが開発され、結果的には待って正解だったのかもしれません。
ご導入までの経緯
「最初のお問合せ」
デンソーテンのTD-508m k 4というフルレンジスピーカーを愛用しております。
貴社のスタンドの導入を検討しておりますが、特殊な形状であり適用の可不可につきお伺い致したく。
参考までに部屋の様子を送ります。スタンドは今は無き山形のバック工芸社のものです。

画像では分かりませんが中央ラックの後方にサブウーハーがあります。
部屋は四畳半の板間+6畳和室です。 我が家は天井高がたかだか2.5メートルくらいの和室です。
音楽はかなり広範囲に聴きますが、オーディオ的にこだわるのはクラシック、それもマーラー、ブルックナー、ドビュッシー、ラヴェルあたりでしょうか。
何かご提案があれば宜しくお願いします。
「幾つかご質問させたあとのFAPS回答」
現在販売している覚醒NeoスタンドでTD-508mk4を使用する場合は、スピーカーのスタンド部分を3点のスピーカー受け座に乗せることで使えます。
音質の改善は大きなものになります。
もともと素晴らしい空間再現力を持つスピーカーに音のクリア感が強まり、風のように軽く量感のある低音も楽しめるようになると思います。
標準の覚醒でも十分ですが、背の高いトールタイプにすることでその良さは更に大きくなります。
和室とお聞きしたので、床面が畳と思いましたが、機材は板の間なので安心しました。
現状の機材のセッティングは、素晴らしいと思います。
特に小型スピーカーを単独で余裕のある空間に設置しておられること、経験の深さを感じます。
タイムドメインのスピーカーもかなり良い状態で鳴っているはずです。
天井高さ2.5mはまったく問題ないと思います。我が家は2.3mです。
覚醒トールタイプを使えば壁全面に広がるような音場ができます。
等身大の歌手が目の前で歌っているような感じになります。
バック社のスタンドは木製としては良く考えられたスタンドです。
支柱(板)が面積が大きいので鳴りやすく、指向性を持ちやすい形状のためリスニング位置を制限しているかもしれませんね。
スピーカーとの対比でもちょっと大きすぎるようです。
スタンドは、今の位置で覚醒スタンドに置き換えるだけで見晴らしの良いスッキリとしたイメージで使用できます。
現状と同じ3点支持であり、違和感なくお使いいただけると思います。
お聴きになられるオーケストラ演奏の場合、ひな壇に座る奏者の前後左右の位置関係が見える感じの広大な音場が期待できます。
音色も透明感の高いものになりますのでフランスものの色彩感が出るようになります。
その後の打ち合わせで、最高の音を目指す! ということで覚醒Neoトール型に決定しました。
以下は導入後の感想です。
小生宅における状況をスピーカー毎にレポートしたいと思います。
1.デンソーテン イクリプス TD-508Mk4(現在のメインスピーカー)
元々フルレンジスピーカーが好きで、過去にはジョーダンワッツのフルレンジモジュールで長く聴いておりましたが、やはり、音量やレンジの問題で2ウェイシステムに移行しました。このテンのタイムドメインコンセプトには注目し、デビュー時に聴きましたが、その際はまだまだ改良の余地があるという評価を下しました。
そのイクリプスシリーズも20年を超え新型のデビューに再度興味を持ち試聴したところ、改良と熟成が相当進んだようで懸念点がほぼ払拭されておりました。「サブウーファーとの組み合わせならかなり行けそうだ」ということで購入を決めたものです。
メーカー推奨の専用スタンドもあるのですが、TAOC製ということで敬遠し、購入当初はサイズ的に好適なソナスファベールのミニマFM用のスタンドに乗せておりました。その後、バック工藝社のスタンドに替えることで、低音が伸びやかになりましたが、更なる高みへ進もうと本スタンドの導入と相成りました。
元々、音場には優れたスピーカーですが、FAPSに替えることで更に音場が広がり、実に見通しの良いものとなりました。ドビュッシーの「海」などを聴いていると、眼前に遠浅の海が出現したが如くです。

下部の支持状況
古い教会などで少ない本数のマイクで録音されることの多い古楽などは、その天井の高さや、やや硬質な石の響きが聞こえてきます。
オーケストラにおいてはスタジオ録音かホールでのものかがより一層差が出てしまい、ある意味で困ったものです。音楽ファンに不評なEMI録音も実はホールでの収録は音が良いことがよく分かります。
ジャズでは、マイルス・デイビスやデューク・エリントン等のコロムビア録音はクラシックと同じ場所やスタッフが録ったことが頷けるクオリティの高さが伺えます。ECMレーベルなど特におすすめです。
多重録音が当たり前のロック系も、80年代以降は徐々に仮想的なサウンドステージが意識されるようになり、エンジニアの意図がよく再現されていると思いますし、60年代半ばのビートルズのSGTペパーズも夾雑物を排したようなこれまでにない再生音で新たな魅力を感じました。
ロックでもスタジオにおける多重ミックスではないライブ録音は臨場感が横溢し、没入感を得ることができます。
ということで、イクリプススピーカには抜群の相性だと思います。
2.ソナスファベール ミニマFM
手持ちの他のスピーカーも試してみましたので、簡単ではありますが報告します。
紙パルプのコーンに天然木のキャビネットで、現代にはない暖色系でふくよかな音調を持つ同社のスピーカーですが、FAPSスタンドに載せることで、このような特長はそのままに音のにじみが減り、より透明な音色となりました。音場再現も改善されたことは言うまでもありません。パスタを食べすぎてやや太り気味のイタリア娘が少しスリムになったかのような印象ですが、魅力は増しています。
3.ヴィエナアコースティック ハイドン
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ソナスファベール入手前に使っていたものです。
ソナスファベールを卸してもらえなくなった販売店がイチオシしておりましたが、音色的に似通ったところが多分にあるスピーカーだと思います。
ソナスがソプラノだとしたら、こちらはアルト歌手でしょうか。
これはソナスのように若干スリムに聴こえるということはなく、そのまま音場が改善され、見通しがよくなった印象です。 |
4.オペラ 1a
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イタリア北部のメーカーで、ソナスが天然木を寄木細工のように組み立てているのに対し、そのまま板として使っているユニークな造りです。
ソナス同様に暖色系でより歌い上げる印象ですが、ウーファーのフレームが鳴くのかうるさい印象がつきまとい使わなくなりました。
チェンバロや女声においてはソナス以上に魅力的で残念だったのですが、
FAPSスタンドに載せるとその喧しさが大きく改善されました。
さすがにヴィブラフォンなどはビビるのですが、それ以外はほとんど気になりません。
効果の大きさにしばし無言となりました。
粗大ごみ化も覚悟しておりましたが、オペラや古楽、カンツオーネ等で楽しめそうです。
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5.FAPSスタンドが向かない? 老婆心ながら
①ジャズメッセンジャーズをはじめとするファンキージャズ系
汗がほとばしるような熱いもの、前へ前へとプッシュする推進力を期待する向きには向かないかもしれません。
②ヘヴィロック
レッドツエッペリンあたりを大音量でその音圧、マッシブ感を愉しみたい方には向かないと思います。ストーンズもかな?
プログレは良いと思います。
③往年の巨匠の演奏するドイツ古典派及びロマン派
ベートーヴェンやブラームスを往年の巨匠で楽しみたいという向きには、その演奏スタイルや録音状態からあまり向かないと思われますが、ワルターのブラームスのリマスタリングSACDは良かったです。
以上、簡単ではありますがご報告まで。
今後もご活躍を期待しております。
<再生環境>
・LPプレーヤー
①テクニクスSP-10(初代)+純正キャビネット
FR-64+武蔵野ハイファイMC
+FIDELIX LEGGIEROイコライザーアンプ
SME3009+ 光カートリッジDS-E3+専用イコライザーアンプ
②パイオニアPL-31改+ GOLDRING 1022GX,中電MG3675等
+合研フォノイコライザー
・CDプレーヤー デノン DCD-1650
・プリアンプ 英国CHODE CPA2500
・パワーアンプ FIDELIX CERENATE
・スピーカーシステム デンソーテン イクリプスTD-508MKⅣ
ソナスファベール ミニマFM
ヴィエナアコースティック ハイドン
オペラ 1a
・サブウーハー ポークオーディオ PSW10
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